2017年 冬、その作品は特段、注目されることもなく、ひっそりと、深夜帯アニメ枠の一つとして放送が開始された―。
『けものフレンズ』、この無名のアニメは、こうして誰からも期待されることなく、静かに産声をあげる。
その後、2017年の“覇権アニメ”になるとは、この時、誰も知る由もなく…。
シーズンごとに大量の新作アニメが量産される昨今、忙しい現代社会に於いて、その全てを視聴することは叶わない。
どれを“継続”し、どれを“切る”か。
当然の如く『けものフレンズ』も例外ではない。
数多、生まれる新作アニメの中から選別される運命にあり、その緩い作風から、アニメファンによる容赦ない“1話切り”の餌食となっていた。
前評判で話題に上ることもなく、第1話が放送されても「Aパートの前半で脱落する者、続出!」という厳しい船出となった『けものフレンズ』。
そう、それまでの“価値観”では測れない、正にエポックメイキングな作品が故に、多くのアニメファンの心を“第1話”で繋ぎ止めることができず、一部のイノベーターを除き、この作品の魅力に気づく者は少なかった。
しかし、今、2017年を振り返り、「“覇権”は?」と問われれば、間違いなく『けものフレンズ』の名が挙がる。
全12話を一周した者なら否が応でも、“シフティング・ベースライン”の変化を実感することだろう。
シフティング・ベースライン
物事を考えるためのベースとなる価値観が変化すること
初見での“第1話”と、一周後の“第1話”では同じ内容を観ているのに明らかに“違う”のだ。
カバンちゃんとサーバルちゃんの一挙手一投足が、
言動の全てが、初見の時とは違った入射角で“心に届く”。
筆者もこの記事執筆にあたり、久しぶりに集中状態で第1話を見返したわけだが、
何気ないシーンの何気ないセリフにも、いちいち胸に込み上げるものがあり、
衆人環視の中、不意に涙腺を崩壊させるわけにもいかず、理性で感情を抑え込むのに随分と格闘した。
だが、この現象は筆者に限った話ではない。
かつて、Aパート前半で脱落者を続出させ、1話切りの餌食となっていた“けもフレ1話”が、現在、ニコニコ動画で1500万回再生に迫る勢いとなっている。
このように、人の“価値観”を大きく変えてしまう“作品力”を持つ『けものフレンズ』。
今回はそんな『けものフレンズ』 第1話「さばんなちほー」を、本編6ブロックまで分解し、1ブロックずつ、その魅力について読み解いて行きたいと思う。
『けものフレンズ』 概要
「アニマルガール」と呼ばれる、少女化された野生動物たちが集まる架空の動物園「ジャパリパーク」を舞台にした作品群によるメディアミックスプロジェクト。
『けものフレンズ』は今回考察するアニメ版だけでなく、2015年にスマートフォン用ゲームアプリ、同年『月刊少年エース』にて連載開始された漫画版など、各メディアで共通のコンセプトだが毛色の違うものが複数存在する。
そもそもこのプロジェクトの立ち上げ経緯は、
『ケロロ軍曹』でお馴染みの、吉崎観音先生によって生み出される、
“イラストや世界観を使用した新規IP(知的財産権)の創出”を目的とし、KADOKAWAコミックス編集部の梶井斉編集長(コミック&キャラクター局 第7編集部)が中心となって2014年頃、発足した。
しかし、吉崎観音先生自身は「『けものフレンズ』の原作は“動物”」というスタンスをとっており、各メディアに対しても、
創出者である吉崎観音先生の中の“答え”に縛られることなく、基本設定を独自解釈して展開して欲しいという考えから、
“原作者”ではなく“コンセプトデザイン担当”という立場を選んだようだ。
このようなプロジェクト方針から、ガイドラインに従えば二次創作及び、三次創作についても公式で認めている。
『けものフレンズ』“アニメ版”の 概要
テレビ東京(他)で2017年1月から3月まで放送された。
アニメーション制作はヤオヨロズ株式会社が担当。
キャラクターは3DCGで描かれているが、ゴリゴリの3D表現ではなくトゥーンシェーディング処理により、3DCGでありながらアニメ絵調の雰囲気も兼ね備えているのが特徴。
脚本、シリーズ構成、監督すべてを、たつき監督が担当している。
用意された枠内であれば各メディアで、独自解釈可能な余地のあるコンセプト的に、
アニメ版は“たつき監督版の『けものフレンズ』”とも言える。
アニメ版に関しては吉崎観音先生と、たつき監督の二人三脚でプロットを手掛けており、意見が割れた際には脚本家の田辺茂範氏がサポートに入っていたようだが、実際にはビデオコンテ方式(画コンテ)で設計を進めていた関係上、
たつき監督の影響がアニメ版『けものフレンズ』には最も反映されていると言える。
また、たつき監督は幼少期にケニアで育っており、動物への造詣が深いことでも知られる。
第1話「さばんなちほー」本編6ブロック詳細考察
それでは早速、アニメ本編を構造的に6ブロックまで分解し、1ブロックずつ詳細解説と共にその魅力について読み解いて行きたいと思う。
初見視点で第1話のストーリーを追いつつ、全12話一周完了視点での解説も交える。
ストーリーの根幹に関わるような重要な“ネタばれ”は極力避けるが、解説の都合上、“掠る”可能性は十分あり得るため、慎重を期す全話視聴前の読者諸賢は念の為、事前に一周(全話視聴)することをお勧めする。
動画配信サービスなら、いつでも、どこでも、ストーリーの予習復習ができて便利。
『けものフレンズ』の予習復習を兼ねて“全12話”視聴するならこちらを参照。
第1ブロック:サーバルとの出会い
冒頭はアフリカっぽい広大な大地から始まる。
ドローンからの空撮映像のような俯瞰視点でカメラを流し、カットが切り替わると、
TVの動物番組などでよく見慣れた、サバンナの風景が広がる。
木々のまばらな、乾燥した草原のそこかしこから、“虹色の謎の光”が蒸発しており、
そこをカメラが左から右にパンしながら一本の樹木(サバンナアカシア. Acacia tortilis)にクローズアップしていく。
暖かな木洩れ日の中、野生動物を取り上げたドキュメンタリー番組だったなら、木の上で寝ていたのはきっと、木登りの得意なネコ科のヒョウ(Panthera pardus)であっただろう。
だが、我々が目にするのはヒョウではなく、“ネコ科系コスプレ少女”である。
サーバル登場
『けものフレンズ』の最も特徴的な点の一つが、この一見すると“人間が”動物のコスプレをしているようにしか見えない“アニマルガール”の存在だろう。
タイトルに“獣(けもの)”を冠し、冒頭で思いっきり広大な大地を見せつけて大自然感を醸し出している関係上、当然、登場キャラクターは動物ベースの外見をこちらは想定する。
しかし、『けものフレンズ』に登場する“けもの”は体毛に覆われた“毛むくじゃら”ではなく、少女ベースの人体に小洒落た“アニマル柄の服”を着ており、“ネコ耳”や“尻尾”といった動物特有の身体的特徴も見受けられるが、よく観察すると人間本来の耳も存在し「4つ耳」状態となっている。
どう見ても少女が“アニマル化変装アイテム”を装着し、“動物に”コスプレしているようにしか見えないのである。(しかも、ハロウィン当日の渋谷ならまだしも、野生丸出しのサバンナの樹上にコスプレ少女である。)
しかし、これこそが先入観による勝手な決めつけであり、後に考えを改めることになる。
かばん登場
カメラが引くと草原の遠方に何やら人影らしきものが歩行している様子が見える。
その人影の発する足音に、いち早く反応するネコ科系コスプレ少女。
樹上からの大ジャンプで一気に人影との距離を詰めると、そこから唐突に“狩りごっこ”が始まり、猛然と人影を追いかけ回すネコ科系コスプレ少女。(とても楽しそう)
いきなり追われる立場となったターゲットの外見は、
探検家かレンジャー風の身なり服装をしており、本人は捕まらないように必死に逃げ回っているが、
客観的にこの光景を見ると、少女2人の戯れにしか見えない。
低予算且つ、作画陣が約10人という少数体制、ローエンドなCGにテンポの緩いプロット、
深夜アニメ枠が刺激、過激さをエスカレートさせている昨今、ライバルと比較し、あまりに真逆を走る『けものフレンズ』。
初見だとだいたいこの辺りで愛想を尽かして見限った視聴者が多かったようだ。
しばらく追いかけっこが続き、一旦、探検家風少女を見失ってしまうネコ科系コスプレ少女だったが、
探検家風少女が後ずさりした際に発した物音で、即座に場所を特定したネコ科系コスプレ少女は、そこからの大ジャンプ(本日2度目)で遂に探検家風少女捕獲に成功する。
「たべないでくださーい!」
「たべないよー!」©けものフレンズプロジェクトA
驚くべきことに、探検家風少女は遊びではなく、本当に“肉食獣”から命懸けで逃げていたのだ。
弱肉強食(?)の世界で、運命的(?)な出会いを果たした2人の少女。
ここまでが、第1ブロックとなる。
因みに一周完走済みの諸賢なら、ファーストコンタクトで交わされた、このセリフの掛け合いで、また、ウルっと来てしまうことだろう。
最終話での再会時に、この掛け合いがあんな使われ方をするとは…。
第2ブロック:かばん「自分探しの旅」 始まる
第2ブロックでは重要な世界観の説明とキャラ紹介、主人公に“目的”が与えられることがメインとなる。
ネコ科系コスプレ少女との狩りごっこの末、捕獲されてしまった探検家風少女は、赤茶けた大地に怯えながら座り込んでいる。
怯えながらも、状況把握の為、周囲の観察は怠らない。
ネコ科系コスプレ少女の、大きな耳に着目しながら、彼女は現地民なのか?
ここはどこなのかを訊ねる。
ネコ目ネコ科ネコ属 サーバル
その問いにより、ここが“ジャパリパーク”という場所で、
彼女が“サーバル(Leptailurus serval)”であること、
そして、ここら一帯が彼女の“縄張り”であることが判明する。
ここでの、サーバル紹介で面白いのが、“ネコ目ネコ科ネコ属 サーバル”という表記。(これは何を意味するのか?)
更に、探検家風少女がサーバルの大きな耳と尻尾についても言及する。
すると、
「どーして?」
「なにか、めずらしい?」
「あなたこそ、しっぽと 耳のないフレンズ?」
「めずらしいね!」©けものフレンズプロジェクトA
冒頭からここまでのやりとりで、勘の鋭い諸賢なら、早くも重大な価値観の相転移が起こったことに気が付くだろう。
“少女が”動物の姿にコスプレしているのではなく、
“動物が”少女の外見をしているのだと。
この違いは“視覚的”には大きな違いにならないが、
“コンセプト的”には天と地ほどの違いがある。
ここが『けものフレンズ』の周到な点の一つだろう。
外見上はアニマル系のコスプレ少女にしか見えないのに、中身は“野生動物”そのものなのだ。
更に『けものフレンズ』の秀逸にして、唯一無二な点が、
ヒロインの動物に“サーバル”を抜擢した点だ。
主人公の相棒となるヒロインには、もっと日本人視聴者に馴染みがあり、知名度の高い動物はいくらでも存在した筈だ。
なのに、『けものフレンズ』では、日本人には殆ど馴染みのない、無名の新人(獣)“サーバル”を発掘してきた。
一周完走後の諸賢なら、もはや、サーバル以外“ありえない”だろうが、
素人考えでは、もっとネームバリューがあり、人気の動物をヒロインにした方が数字(視聴率)も取れそうなのに、「なんでサーバル? 」と思うのが普通だ。
だが、コンセプトデザイン担当の吉崎観音先生の“思い”はそんな次元ではなかった。
以下にサーバル抜擢の逸話を引用する。
動物園に行って帰りの園内バスを待っていたとき、ふと横の檻を見たらネコ科のスラッとした動物がいたんです。チーターかな、くらいの認識で、でもよく見ると模様がとても綺麗で何か惹きつけられて。それが『サーバル』でした。こんなに魅力的な動物を、自分は何でこれまで知りもせず素通りしていたんだろうと自分の中にあった『知ることをやめた心の壁』に気がついて。その体験が衝撃的だったので、まずはこの子をメインのキャラクターにしてみようと決めました
本物の動物こそが原作者。「けものフレンズ」コンセプトデザイン吉崎観音インタビュー|月刊ニュータイプ3月号(2017年2月10日発売)
この地球上にはまだまだ知らない魅力的な動物がたくさんいる。
そんな動物たちに敬意を払い、“楽しみながら動物を知ってほしい”という吉崎観音先生の“思い”がサーバルを本作のヒロインに選んだのだろう。
以上のことから、眼前のコスプレ少女は紛れもない“ネコ目ネコ科ネコ属のサーバル”だ、と認識を改めると、
第1ブロックの樹上でのサーバル休憩シーンから、狩りごっこ、探検家風少女捕獲までの流れが、全て“サーバルの生態”を忠実に再現していた事が分かる。
大きな耳で20kHz以上の超音波を聞き取り、獲物の場所を特定、ダイビングジャンプによるハンティングはサーバルの専売特許だ。
閑話休題、第2ブロックの構造考察に戻る。
記憶喪失の少女
引用したサーバルのセリフには、新たな重要ワード、“フレンズ”がある。
アニマルガールと同義であるが、使い分けとしては「アニマルガール」が“設定”であるのに対して、「フレンズ」は作中でキャラクター自身も認識している「アニマルガール」の“通称”といった関係性となる。
サーバルと探検家風少女との会話から、どうやら探検家風少女は迷子の“記憶喪失”であることが分かる。
どこから来たのかも、自分の名前も、何の動物なのかも分からないという。
視聴者的には、この探検家風少女が“ヒト(Homo sapiens)”なのは一目瞭然なのだが、サーバルも探検家風少女が何の動物か分からないようで、
「あー! きのう のサンドスターで うまれた子かな?」
©けものフレンズプロジェクトA
との事。
サンドスターは冒頭から登場している、虹色の謎の光の正体であり、サンドスターによって動物は“フレンズ化”する。
様々な現象に関与している物質だが、作中でも全容が明かされることはなく、謎の物質であることに変わりはない。
“昨日生まれた子”説の真相はこの時点では不明だが、早速、何の動物なのかサーバルによる取り調べが始まる。
頭から羽が生えていれば鳥の子、フードがあればヘビの子らしいのだが、いづれも探検家風少女には見当たらない。
そして、取り調べの最中に“あるモノ”を発見する。
サーバルにはそれが何か認識できないようだが、探検家風少女にはなぜかそれが分かってしまう。
鞄という概念
「カバン、かなー?」
©けものフレンズプロジェクトA
サーバルにとってはこの鞄は驚くべき発見となる。
第9話「ゆきやまちほー」までストーリーが進むと、初めて入浴シーンが出てくるのだが、最初フレンズ達に“脱衣”という概念が存在しない。
彼女らにとっては我々が“服”として認識している箇所を、体毛のような“身体の一部”として捉えている。
探検家風少女に「着衣したまま入浴するのはおかしい」と指摘されて、初めて“衣服”という概念が与えられ、
“服を意識”することで身体から服が形而上的に分離され、脱衣が可能となった。
“意識”することで、“ケモミミ(獣の耳)”も“尻尾”も理論的には着脱可能となり、全てを脱ぎ去ると、動物要素がほぼなくなり、人間の少女とフレンズで外見上の差異はほとんどなくなる。
探検家風少女が身に着けていた鞄は、サーバル視点では探検家風少女の“身体の一部”だったが、探検家風少女から“鞄”という概念を与えられ、その瞬間から“鞄”を認識できるようになったという事だ。
話が9話までそれてしまったので1話に戻る。
図書館を目指すことに
結局、取り調べの甲斐なく、何の動物か分からずじまいなのだが、そんな時は「“図書館”で教えてもらう」という情報がサーバルから新たに提供される。
ミッション発生である。
だが、自分の名前すら分からない探検家風少女には図書館の“場所”が分からない。
図書館の場所をサーバルに訊ねると、サーバルが途中まで案内してくれるという。
一緒に同行するにあたり、何の動物か判明するまで“名無し”なのは不便との理由で、
探検家風少女の所持品である“鞄”に因んで、
サーバルが“カバンちゃん”と即決で命名することに。
特にこだわりのない様子のカバンは、素直にその名前を受け入れる。
さばんなちほーのガイド
黒コマのインサートで場面転換すると、
いかにも、ガイドしそうな身なりの(レンジャー風の)カバンではなく、獣のサーバルが“さばんなちほー”をガイドしている。
カバンは記憶喪失なので“ガイドされる側”なのは当然なのだが、このシーンから視聴した者は、奇妙な関係に見えたことだろう。
サバンナの風景カットを切り替えながら、サバンナツアーの様子が描写され、さばんなちほーは広く、サーバル以外にも多くのフレンズが棲息していると語られる。
シマウマちゃん(サバンナシマシマオオナメクジ.Meghimatium quagga )やトムソンガゼルちゃん(Gazella thomsonii)が軽めに紹介された後、
図書館が“さばんなちほー内”には存在せず、“じゃんぐるちほー”の先にあることがサーバルから追加で語られ、サバンナの出口まではサーバルが責任をもって案内してくれるという。
ここまでが第2ブロックとなる。
得体の知れない身元不明のカバンを、何の迷いもなく親切に途中まで案内すると買って出る聖獣サーバル。
すべてはここから始まった。
第3ブロック:ボクって相当ダメな動物だったんですね…
第3ブロックでは、動物としてのヒトの弱さ及び身体的特徴の一部がクローズアップされ、文化人類学的視点からの人類史を、今後、カバンが一歩ずつ辿ることが示唆される。
また、本作の敵対者となるセルリアンが初登場するのもこのブロックからである。
黒コマのインサートで場面転換後、不安そうな面持ちのカバンと、その後ろで準備運動を始めるサーバル。
カットが切り替わると、カバンの表情の理由が判明する。
眼前に、そこそこ高さのある崖が広がっていたのだ。
サーバルは得意なジャンプを活かして、容易く下まで降りてしまう。
一方、カバンは崖に這いつくばるようにしがみつき、恐る恐るゆっくりと降りていく。
サーバルがそのゆっくりな動きからナマケモノのフレンズではないか? と、カバンに訊ねると、気を取られたカバンはそのまま崖の下まで滑り落ちてしまう。
心配するサーバル。謝るカバン。
カットが切り替わり、川辺のシーン。
川面から頭を出す岩伝いに軽々とジャンプをして対岸まで渡るサーバル。
対してカバンは最初の岩から、なかなか次の一歩を踏み出せない。
一か八かのジャンプをするが、対岸まで届かず川に落ちてしまう。
謝るカバン。
そんなカバンに手を差し伸べながらサーバルが優しく慰める。
「へーき!へーき!」
「フレンズによって、得意なこと ちがうからー!」©けものフレンズプロジェクトA
セルリアン登場
カットが切り替わり坂道を登る2人。慣れないことが続き疲れが見えるカバン。
そこへ岩陰から“青い一つ目の謎の存在”が出現。
カバンはこの青い存在とは初対面のため、新たなフレンズが現れたと勘違いして挨拶をしていると、サーバルが血相を変えてカバンへ注意喚起。
「ダメ!それは“セルリアン”だよ!」
「にげてー!」©けものフレンズプロジェクトA
それを聞いて逃げるカバン、追いかけるセルリアン。
逃げ切る事叶わず躓いて転んでしまうカバンへセルリアンが襲い掛かろうとしたその瞬間、
セルリアンの脳天へ、サーバル自慢の爪で一撃をお見舞い。
ピキーン!という亀裂音と共にブロック状に分裂、サンドスターへ還元され蒸発するセルリアン。
サーバルに助けられたカバンは安堵とともに複雑な心境を口に漏らす。
「すごいですね、サーバルさん」
「ボクにはそんな力…」
「ふつうに案内してもらうだけで、この感じだし…」「ボクって相当ダメな動物だったんですね…」
©けものフレンズプロジェクトA
記憶喪失で自分の名前も分からなければ、何の動物かも分からない。
サーバルとの狩りごっこではすぐに捕獲され、崖を降りるのも、川を渡るのもままならず、セルリアンからも自力では逃げ切れない。
案内役のサーバルが運動神経が良いことも手伝い、後ろをついて行くだけで劣等感が増していたカバン。
そんな落ち込むカバンに、聖獣サーバルが手を差し伸べながら優しく励ましの言葉をかける。
「だいじょうぶだよ」
「わたしだってみんなからよく、ドジーとか、ぜんぜん よわいーとかいわれるもん」「それにカバンちゃんはすっごい 、がんばりやだから、きっとすぐ、なにが 得意かわかるよ!」
©けものフレンズプロジェクトA
そう、カバンは頑張り屋なのだ。
崖を降りるのも、川を渡るのも得意な事ではないけれど、弱音を吐くことなく、足取りは遅くとも、ここまでサーバルを追ってしっかりとついてきた。
そんな、端から見ればただただ“どんくさい”だけのカバンを、聖獣サーバルは見捨てることなく、むしろ積極的にカバンの得意なところを探そうとしている。
客観的に見れば、冒頭からここまでの描写で、お荷物感満載でしかないカバン、
怖がりだし、うじうじしてるし、暗そうだし…。
なんの取柄もなく、見るからにダメで、何で生まれてきたかもわからない、
それは、カバン自身が誰よりも一番、痛感していることだ。
そんなカバンをサーバルは出会って間もない中、優しく受け入れ、カバン本人すら気づいていなかった“長所”を最初に見つけてくれた。
このサーバルがくれた一言が、カバンにとって“どれほどの救い”になったことか。
ここのやりとりは、そんな“思い”が垣間見えたシーンだ。
ヒトの持つ特徴
オーバーラップしながら場面転換すると、太陽の照り付けるサバンナの大地に、一本の大きな樹木(サバンナアカシア.Acacia tortilis)が木陰を作っている。
そこで休憩することにした二人。
サーバル曰く、太陽の一番暑い時間はあんまり動いては駄目らしい。
雑談後、サーバルが改めてセルリアンには注意するよう促し、再度セルリアンが出現したら自慢の爪で撃退すると約束、
「すみません」と感謝するカバン。
相変わらず助けられてばかりで、取柄のない自分に落胆するカバンを尻目に、サーバルがカバンの持つ、ある“特徴”に気が付く。
「あれ? カバンちゃん“ハァハァ”しないんだね!」
「それにもう、元気になってる!」©けものフレンズプロジェクトA
直射日光の降り注ぐ灼熱の大地を、結構な長距離移動してきた二人。
元気が取柄のサーバルがまだ体力を回復できていないのに、既に回復済みのカバン。
この様に、炎天下で長距離移動が得意なのは、エクリン腺を全身に有し、発汗による高度な体温調節が可能な“ヒト”の持つ大きな特徴と言える。
「わたし、あなたの強いところ、だんだんわかってきたよー!」
「きっとステキな どうぶつだよ、たのしみだねー!」©けものフレンズプロジェクトA
このエピソードにより、『けものフレンズ』が単なる、人間と動物の対比で転がすプロットでない事が明らかとなる。
人類発祥の地であるサバンナ(アフリカ)の大地から記憶喪失のカバンの旅は始まり、最初に肉食獣(サーバル)に追われ(狩りごっこ)、続いて、炎天下での長距離移動が得意なことが提示された。
『けものフレンズ』は全12話の内の前半7話をかけて、文化人類学的視点からの人類史をカバン視点でトレースしていく。
第7話「じゃぱりとしょかん」で、前半の目的である、自分が“何の動物”なのかを図書館で教えてもらうのだが、第1話から第7話までの足跡が、そのまま人類の辿ってきた“人類史”なのが洒落た演出である。
まだ、第3ブロックの途中だが、ここでAパートが終了する。
AパートとBパート間にあるCMまたぎに“謎のコーナー(アイキャッチ)”があり、
栄えある第1話では伝説の飼育員“しんざきおにいさん”が登場する。
謎のコーナーについては後述する。
木登りを伝授
Bパートは、大きなバオバブ(Adansonia digitata)の木が、まばらに生えているシーンから始まる。
サーバル曰く、木登りが出来ると外敵から逃げたり隠れたりするのに便利だという。
すると、唐突に「みゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃー!」と奇声を上げながら木に登るサーバル。
ネコ科の本能がそうさせたのだろうか。
いや、サーバルはカバンに“木登り”を伝授しようとしているのだ。
初心者にはいきなりハードルの高すぎる“樹高”のバオバブを選んでしまうところが、いかにもサーバルらしいが。
黒コマのインサートで場面転換すると、今度は先程よりも樹高の低いバオバブ。
手を滑らせたり、ぎこちない動きは相変わらず どんくさいが、サーバルの助けも借りながら、何とか頑張って木の天辺まで登りきるカバン。
『けものフレンズ』に於いて“木登り”は“成長の証”として描かれる。
第11話「せるりあん」で、サーバルを助けるために命懸けで登る“木登り”は、問答無用で涙腺大決壊であるし、
第12話「ゆうえんち」で披露される“木登り”は、いつもは騒がしいサーバルが、木登りするカバンを“母の眼差し”で静かに見守っており、
サーバルに頼ってばかりだった“あのカバン”のすっかり逞しくなった姿に、サーバルも視聴者も思わず胸がジーンとしてしまう。
一周後は1話のこの“木登りシーン”で感動がループする巧みな仕掛けとなっている。
話をカバンが木に登った時点まで戻そう。
カメラが下から上、左から右にパンしながら、樹上からの景色を眺めるカバン。
達成感を味わいながら、次に向かう水場の場所を予習する。
カットが切り替わり、水場に続く坂道を登る二人。
どんくさいカバンはまた足を滑らせてしまうが、弱音を吐くこともなく、
黙々とまた一歩を踏み出すカバン。
その一部始終を慈悲深い母の眼差しで見守る聖母サーバル。
カバ登場
小高い丘の上まで到達すると、眼前に水場が姿を現す。
水分補給を済ますと、ここまでの道のりを振り返る。
水場のある小高い丘からは遠方まで見渡せ、休憩した木陰が随分、遠くに、小さく見える。
二人が出会った場所から休憩した木陰までも、それなりの距離だと窺え、その休憩した木陰から水場までも相当な距離なのは明々白々。
休憩した木陰よりも前の時点、サバンナガイドイベントで、サーバルがサバンナの出口は「すぐ近く」だと語っていたが…。(野生動物の語る「すぐ近く」はあてにならない)
話題が変わり、水場の様子が普段と違うと訴えるサーバル。
いつもは大混雑の水場が、今日は空いているというのだ。
フラグ建築士のサーバル曰く、
「こわーい、だれかでも きたのかなー?」
©けものフレンズプロジェクトA
無事フラグが回収され、水場からブクブクと泡立つ音が聞こえた次の瞬間、
水柱を上げながら水中からライダースーツ風の巨乳お姉さん登場。
すぐにサーバルと顔なじみだと判明し、彼女はカバ(Hippopotamus amphibius)だと紹介され、
水場が空いているのは、このカバが獰猛で水場を独占しているからではなく、
今日は普段よりセルリアンが多いのが理由だと判明する。
セルリアンが多発している原因は、昨日のサンドスター噴火の影響だと思われる。
そして、カバンとサーバルがこれから目指すサバンナの出口、
“ゲート”付近にも大きなセルリアンが出現中だと併せて警告。
この一連の流れの中、本筋とは全く関係ないのだが、奇跡の瞬間が降臨していた。
“例の顔”である。
ローエンドな3DCGにトゥーンシェーディング処理を施した(安っぽく見える)モデル、
ハイエンドな3DCGと比較すると、どうしてもチープさが否めないが、
そこに神が舞い降りた。
紀元前6世紀のアルカイク美術の彫像に多く見られた、顔の感情表現を極力抑えつつ、口元だけに微笑みを湛えた、生命感と幸福感の最上級演出。
その“アルカイックスマイル”が2017年冬、深夜アニメ枠で長い眠りから復活を遂げる。
(本筋と関係ない話が続くが)
ところで、水場から登場したカバの“ビジュアルデザイン”の秀逸さにお気づきであろうか?
サーバルの華ある“キャラクターデザイン”は言わずもがな、こと、カバに於いては“フレンズ化”するにあたり、デザインにアイデアの一捻りを要する。
と、言うのも、前述のようにフレンズの人体部はヒトと共通であり、動物固有の特徴は服、模様、アクセサリー、髪型などで表現する必要がある。
特徴ある模様がなく、シンプルなフォルムをしたカバ、そのままではデザインが一筋縄にいかないことは容易に想像がつく、
そこで、カバの“習性”もビジュアルデザインに取り込むことで、フレンズ化のデザインに成功した。
カバの大きな特徴である、威嚇の際に150度まで開ける大口と4本の牙(犬歯)が、髪型で表現され、
全体的な色調は、皮膚表面を保護するために分泌されるピンク色の粘液の影響で、暗赤褐色を帯びるカバ特有の体色をグラデーションで再現している。
巨乳からの、くびれたウエスト、そして大きな尻は、カバのヒョウタン型の正面顔とセクシーお姉さんのシルエットを見事に融合させた。
そんなカバが、サーバルの隣にいる子は誰かと問う。(やっと本筋に戻る)
サーバルが“カバンちゃん”だと紹介すると、カバもカバンが何の動物か分からない様子。
ここからカバによるカバンへの職務質問が始まる。
- 泳げるのか?
- 空は飛べるのか?
- 足は早いのか?
全ての問いに「いえ…」と答えるカバンに、カバから同情交じりの一言、
「あなた、何にもできないのねー」
©けものフレンズプロジェクトA
落ち込むカバンに、すかさずフォローをいれる聖獣サーバル。
カバもサーバルへ愛情ある風刺を放ちつつ、自分も実は泳げないと打ち明け、
“できないことは、恥じることではない”と諭しつつ、
「ただ、ジャパリパークの掟は“自分の力で生きる”こと」
「自分の身は、自分で守るんですのよ」
「サーバル任せじゃダメよ」©けものフレンズプロジェクトA
と釘を刺すことは忘れないカバ。
このカバンとカバとの問答は重要な“伏線”として後々機能する。(1話内のみならず、最終話前後までリンクする)
最後に、カバからセルリアンと遭遇した際の“対処法”をアドバイスされ、その内容を要約すると、
- 基本は逃げる
- どうしても戦う時は“石(弱点)”を狙う
との事。
カバに別れを告げ、水場から立ち去る二人。
黒コマのインサートで場面転換すると、
まだ、カバが何かを喋っている。
要約すると、
- 暑さに気をつけろ
との事。
更に黒コマのインサートで場面転換すると、
まだ、カバが何かを喋っている。
要約すると、
- 坂道では足を挫かないように気をつけろ
との事。
最後に、さんざんカバから釘を刺され、第3ブロック終了。
第3ブロックでは、念を押すように自然下でのヒトの“弱さ”が強調される。
これはヒトの持つ大きな特徴である、
“直立二足歩行”や
“会話による高度なコミュニケーション能力”などが、
フレンズにも標準で備わっている為、カバンとフレンズを比較すると、
ヒトの能力に加え、動物の能力も継承しているフレンズの優位性がどうしても目立ってしまう為であろう。
第4ブロック:大型セルリアンとの対決!
第4ブロックではそれまで大自然の秘境かと思われていた“さばんなちほー”に、突如、荒廃した人工物が視界に登場し始める。
作中キャラクターはその異様な光景に動揺するわけもなく、視聴者のみ不穏な空気を感じ取る仕掛けとなっている。
そして、第1話 最大の山場、大型セルリアンとの対決があるのも第4ブロック。
ここから“人類のターン”が始まる。
けものフレンズのロゴトランジションで場面転換すると、いよいよ“さばんなちほー”の終着点であるゲートエリア突入。
因みにこのロゴトランジション前後で画面が暗くなり、処理落ちまがいのモーションブラーがキャラにもかかる。
一説によるとロゴトランジションの点滅が光過敏性発作(ポケモンショック)を誘発しない配慮だとか、はたまた、単なるコンポジットソフトの設定ミスなど、真相は闇である。(画面が暗くなるだけに)
ゲートエリア付近に立ち入ると、それまでのサバンナ風景からすると、“異物”ともいえる“人工物”が突如出現する。
人工物に二人が近づくと、園内マップとおぼしき立て看板とパンフレットが入った透明なケースだと判明。
それらは錆びつき風化し、メンテナンスを放棄されてから長い年月が経っていると推定できる。
大自然真っ盛りのサバンナの大地に荒廃した人工物。
人類は見当たらず、たった一人取り残された記憶喪失の迷子の少女。
“不穏”でしかない。
そんな視聴者の“心のざわつき”とは裏腹に、作中キャラクターはそれまでのノリと変わらず平常運転。
カバンが透明なケースから、おもむろにパンフレットを取り出し、手に取ると、サーバルがいち早く反応。
“ちほー”の場所が分かるパンフレットを初めて目にして興奮気味のサーバル。
看板、パンフレット、地図、透明なケースといった人工物の“概念”を持たないサーバルは、視界にそれらが入っていても“認識”はできない。
カバンに教えてもらって初めて“認識”できるようになる。
その為、カバンからのレクチャー前では、透明なケースをネコの手で“掻き掻き”するのが限界で、中身を取り出すことはできない。
動物と人とのカルチャーギャップネタで映像的には、天然ボケ(?)をかました格好になったサーバル。
平和な時間である。
そんな天然娘サーバルの大きな耳が、遠くから聞こえる動物の“悲鳴”を捉え、平和な時間は終わりを告げる。
巨大なセルリアン登場
不穏な音楽と共にゲートを占拠する巨大なセルリアン登場。
カバンが、あれもセルリアンかとサーバルに問うと、
矢継ぎ早に、悲鳴の主は“セルリアンに捕食されたかもしれない”と、悲壮な面持ちのサーバル。
「たすけなきゃ!」
©けものフレンズプロジェクトA
素早くセルリアンに接近したサーバルだったが、突然立ち止まり、“石がない”と困惑。
石がないというサーバルにとって想定外の事態に、混乱状態で怯んでしまうサーバル。
容赦ないセルリアンは一瞬の隙を見逃さない。
即座に体当たりで襲い掛かるが、間一髪で攻撃をかわすサーバル。(運動神経は抜群)
その様子を遠くから冷静に観察していたカバン。
セルリアンの背後に石があるのを発見する。
早急に敵の急所情報をサーバルに伝達するカバン。
サーバルも石の位置を確認するが、敵の背中側に石があるため、なかなか攻撃動作に移行できない。
そこで、セルリアンの注意をひくため、反復横跳びをして陽動を試みるが上手くいかず。
サーバルの知能指数ではこれ以上の作戦立案は難しく、頭脳の限界を迎え、思考停止。
その場に立ち尽くしてしまう。
絶体絶命である。
そんな、両者、睨み合いの膠着状態を打ち破ったのは、一翼の“紙ひこうき”だった。
初めて見たであろう、謎の飛行物体に、サーバルもセルリアンも 見惚れてしまう。
紙飛行機に釘付けのセルリアンは紙飛行機から視線を外せない。
そのまま、紙飛行機の軌道を追うようにセルリアンのボディも回転し始める。
カバンの一声で我に返るサーバル、
目の前には背中を向けて石を露出させているセルリアン。
恰好の的にサーバルは一気に攻撃を仕掛けようとするが、紙飛行機が旋回を始め、セルリアンの視線がカバンの姿を捉えてしまう。
無防備なカバン目掛けてセルリアンが触手を伸ばし襲い掛かろうとしたその瞬間、
カバがカバンを跳ね除け
「わたしに大口勝負を挑むなんて、いい度胸してますわね!」
©けものフレンズプロジェクトA
からの強力な一撃。
連携プレーが如く、続け様にサーバルがセルリアンの石目掛けて自慢の爪で一撃をお見舞いし撃破。
ゲートを占拠していた巨大セルリアン討伐に成功する。
最後にカバが独り言をつぶやいて、その場を去っていく。要約すると、
- サーバルは詰めが甘い
- 助けるのは今回だけ
- カバンは変わった子だけど、サーバルを助けようと頑張った
相変わらずの愛情ある風刺だが、
サーバルとカバン、二人だけで巨大セルリアンが占拠しているゲートに向かったのが心配で、こっそり二人の後をついてきていたのであろう。(第3ブロック、ラストでもカバが心配性なのが窺える)
実際、サーバルだけであったら、セルリアンの奇襲からカバンを守る事はできず、カバの判断は正しかったと言える。
カットが切り替わると、肩肘を張り、カバンに詰め寄るサーバル、立腹なのか?
「すっごーい!」
「さっきの、なにあれー!」
「ひゅーって、そらをとぶやつ」
「あれっ、なにー!?」
「どうやったのー!」©けものフレンズプロジェクトA
紙飛行機に驚嘆しているだけであった。
ここまでが、第4ブロックである。
人類のターン
第4ブロックは一言でいうと“人類のターン”。
まず、セルリアン討伐の決め手となった“紙飛行機陽動作戦”。
カバンの“ヒト”としての能力が開花した瞬間だった。
先程入手したパンフレットを折って、紙飛行機を“作り”、それを“投げる”。
これは人類最大の武器であり特徴の“道具の使用”が披露された瞬間だ。
高度な道具を工作する手先の“器用さ”と、その道具を手を使って遠くへ投げる能力、
“投擲能力”にフォーカスしている。
自然人類学視点と文化人類学視点の多角視点から“人類のターン”を描ききった。
第4ブロックではもう一つ、“ポストアポカリプス”要素の提示がある。
ポストアポカリプス
- 所謂「終末もの」ジャンル。
- 何らかの原因により、人類文明が崩壊した後の世界を舞台とする物語
大自然が舞台かと思いきや、突如、荒廃した人工物が現れ、人類は見当たらず、居るのはフレンズ達のみ。
人類は絶滅してしまったのか? 文明が滅んだ後の世界なのか?
といった“ポストアポカリプス”要素が一気に立ち込め、ほんわかした作風に見え隠れする闇とのギャップに胸のざわつきが抑えきれなくなる。
第2話「じゃんぐるちほー」で初披露された、エンディングテーマ「ぼくのフレンド」と共に流れた映像が、更に謎を深めた
モノクロ写真の被写体が、閉園して廃墟となった遊園地の数々だったのだ。
更に、登場する動物が(マニアックな選定とはいえ)現存種のみかと思いきや、第3話「こうざん」で“絶滅種(絶滅危惧種含む)”のフレンズが登場。(目にハイライトがないことで区別)
そして、第4話「さばくちほー」で未確認生物(UMA)であるツチノコが登場し、
このツチノコの発言が物議を醸した。
「あいつ、絶滅していなかったのか」
©けものフレンズプロジェクトA
ツチノコはカバンの正体を認識しているようで、このセリフから様々な憶測が飛び交った。
この第4話あたりから、SNSを中心に“考察班”と呼ばれる、
“けものフレンズの考察が得意なフレンズ”を生み出してしまう。
ここから『けものフレンズ』の怒涛の快進撃が始まる。
第5ブロック:さばんなちほーに別れを告げ、ボスと出会う
第5ブロックでは、さばんなちほーに別れを告げ、第1話の物語が収束に向かう。
そして、カバンの自分探しの旅、最後のパーティーメンバーである“ラッキービースト(通称ボス)”が登場する。
けものフレンズのロゴトランジションで場面転換すると、
あたりはすっかり茜色に染まっており、日の傾いたゲートの下で二人が佇んでいる。
サーバルの“縄張り”は「さばんなちほー」。
ゲートの先は「じゃんぐるちほー」、約束通り、サーバルの道案内はここまでのようだ。
サーバルに感謝しまくるカバン。
サーバルがいなかったら、ここまで辿り着くことなく野垂れ死んでいたであろう。
意気消沈するカバンに、
パンフレットで作った紙飛行機を、両手いっぱいに抱えたサーバルが元気づける。
カバンには、すっごい技があるから大丈夫だ、と。
そして、再会の暁には呼び方を“サーバルさん”ではなく“サーバルちゃん”に変更せよ、と。
しゃべりかたも他人行儀ではなく、もっと親しくせよ、と。
だって、もう、
二人はお友達だから。
何度も振り返りながら、名残惜しそうにして、その場を後にするカバン。
意を決して前進するカバンだったが、すぐに暗い森が眼前に立ち塞がり、不気味な遠吠えも聞こえ始める。
一気に心細さMAXのカバン。
すると、
背後から小走りに近づいてくる足音と、見覚えのある大きな耳。
気配に気づいたカバンが条件反射で恒例のやつをやる。
「たべないでくださーい!」
「たべないよー!」©けものフレンズプロジェクトA
束の間の別れの後、無事、再会を果たした二人。
心細さMAXから安堵が隠し切れないカバンだったが、なぜ戻ってきてくれたのかサーバルに一応、問う。
「サーバルさん、どうして?」
「やっぱり、気になるから、もうちょっとついていこーかなって!」
「サーバルさぁん」
「ほらぁ、やくそくでしょ!」
「つぎ、会ったときだから、サーバルちゃんってよんで!」
「話し方も!」
「さっき別れたばっかりじゃない」
「ちゃんと1回、わかれたからいいの!」
「そうかなー」
「ほらぁ、いこーいこー!」©けものフレンズプロジェクトA
初見での視聴者やカバン視点だと、頼れるサーバルが戻ってきてくれて一安心、
他人行儀でよそよそしい振る舞いをするカバンに、フレンドリーなサーバルが呼び方を変えて親近感がわくように粋な計らいをした、そんな風に受け取れる。
だが、この“お別れシーン”には上記のような表面上の意味に加え、もう一つ重要な意味が込められている。
お別れシーンの本質に迫る
それはカバンとサーバルとの関係性に大きな変化が生じた為、
“通過儀礼”として“お別れシーン”という“儀式”が必要だったのだ。
『けものフレンズ』では、ほぼサーバルの内面が描かれることはないが、サーバル視点でこの“お別れシーン”を解釈すると見えてくるものがある。
カバンにとってサーバルが特別なのは簡単明瞭、右も左も分からぬ弱肉強食の世界で、初めて出会った自分を守ってくれる存在、
つまりカバンにとってサーバルは母親のような存在である。
では、サーバルにとってカバンはどのような存在なのか?
第1話の短い時間軸で、サーバルが得体の知れないお荷物のカバンを特別視するようになったキッカケはどこにあったのか?
ヒントはカバのリアクションに隠されている。
カバが登場する前は、どんくさいカバンと運動神経の良いサーバル、二人の対比が続き、視聴者的にもサーバルは頼れる存在として印象付けられる。
しかし、カバが登場することでサーバルの評価に客観視点が加わることとなった。
カバ含め、ジャパリパーク内でのサーバルの評価は、
- ドジ
- よわい
- おっちょこちょい
- トラブルメーカー
などなど、お世辞にも“頼られキャラ”とは言い難い。
そんなサーバルより、怖がりで、どんくさくて、弱い存在、カバン。
普段、他のフレンズからドジとか弱いとか低評価を受けていたサーバルにとって、とてもカバンを他人事とは思えず、放っておけず、力になってあげたいと思ったのだろう。
カバンも生まれたばかりの赤ん坊のように、サーバルを全面的に頼りにする。
サーバルの母性本能は刺激されまくり、脳汁ドバドバ状態である。
つまり、サーバルにとってカバンは我が子同然。
親子関係成立である。
しかし、この関係は長くは続かない。
ゲートを占拠していた大型セルリアン討伐で開花したカバンの能力、
サーバルに守られっぱなしだったカバンが大人への階段を一歩登った瞬間だ。
そして、夕暮れの“お別れシーン”。
このお別れシーンは親離れ、子の巣立ちを意味する。
そして、お別れ後、二人は“お友達”として直ぐに“再会”する。
つまり、カバンとサーバルの関係性がゲートを境に“親子”から“友達”へ変化したのだ。
“サーバルちゃん”と呼ぶように提案したサーバルの“思い”は意外と深かったのだ。
このように印象的な“お別れシーン”なのだが、
『けものフレンズ』は最終話である第12話「ゆうえんち」でも、この“お別れシーン”を再現する。
出会いがあれば、別れがある。
最終話、カバンは新たな旅への出発を決意し、サーバルとの別れを選択する。
第1話の時とは逆転し、カバンは一度も振り返ることなく前へ進む。
名残惜しそうにしているのはサーバル。
長い旅で少し成長したカバンとサーバル、第1話の時とは“同じだけど少し違う”、
“始めと終わりが ‘対’ になる”巧い演出で締め括った
ボス登場
カットが切り替わると夜になっており、ライトアップされた看板の下で二人が話をしている。
“じゃんぐるちほー”には大きな河があり、フレンズもたくさんの種類がいるようだ。
本能がそうさせるのか、おもむろに近くにあった柱で“爪とぎ”を始めるサーバル。
カバンに「危ないよ」と注意されるも、その注意を遮るように、
「だいじょうぶ!夜行性だからぁ!」
©けものフレンズプロジェクトA
夜行性万能仮説を唱えるサーバルだったが、柱から木の裂ける音が「ギギギギギ」と鳴りだし、大丈夫でないことが即座に立証される。
サーバルとカバンの悲鳴と共に、柱が倒れ、地面に地響きが伝わると、暗闇で怪しく緑に光り出す謎の眼光。
その緑目の生物(?)がテクテクと騒動の方へ向かう。
容姿を見るにフレンズとは違う、セルリアンの別種だろうか?(いや、中トトロ…)
カバンが緑目に気が付くと、緑目はサーバルの後方でじっとして、こちらの様子を窺がっている。
カバンがサーバルに緑目を報告すると、二人で警戒しながら目を凝らす。
暗闇から近づいてくる緑目を見るや、サーバルと知り合いだと判明。
サーバルは“ボス”と呼んでいるようだ。
サーバルがボスに、カバンが何の動物か聞こうとするが、
ボスはサーバルをスルーしてカバンに近づく。
「はじめまして!ボクはラッキービーストだよ」
「よろしくね」©けものフレンズプロジェクトA
身を震わせながら驚愕しているサーバル。
「うーわぁー!しゃべったー!」
©けものフレンズプロジェクトA
どうやら、このボスことラッキービーストはフレンズとは会話をせず、カバンに挨拶した際に初めて発話したようだ。
ここまでが第5ブロックである。
カバンの旅の同行者、最後のパーティーメンバーであるラッキービーストと出会い、Bパート終了。
ラッキービーストはずっとカバン&サーバルと一緒に行動を共にするが、影が薄いこともあり、旅の同行者だという存在感が弱かった。
しかし、ラスト2話、第11話、第12話で大活躍を果たし、この旅は“3人”の旅だったと改めて再認識させられる。
ラッキービーストの正体は第11話まで明確には明かされないが、その振る舞いから第2話には、パークに詳しいけど肝心な時にはポンコツのロボット?だとすぐに認識が定着し、
ロボットものでは定番の、大量生産された無個性の存在が、一緒に旅をするうちに、かけがえのない“存在”へとなっていく。
パークの至るところにラッキービーストは存在しているが、
“一緒に旅をしたボスじゃなきゃダメ”なのだ。
この辺も『けものフレンズ』の秀逸な点であろう。
Bパート直後、第1話では変則的にこのタイミングでオープニングテーマ「ようこそジャパリパークへ」が流れる。
第6ブロック:アライグマとフェネック登場
第6ブロックは主題歌(オープニングテーマ)後に始まる、Cパート。
このブロックでカバンを追う“追跡者”の存在が明らかになる。
謎のフレンズが地面をクンクンしながら、早く捕まえないと、パークが危機に陥ると焦っている。
ここで登場したのはフェネック(Vulpes zerda)とアライグマ(Procyon lotor)。
第11話「せるりあん」まで、正式には紹介されないが、この二人も、カバンとサーバル、ラッキービーストと時間差で旅をすることになる、メインキャラクター。
『けものフレンズ』ではメインキャラクターを第1話で全員きっちり登場させている。
このコンビは昼間にサーバルとカバンが狩りごっこをしていた場所(夜)から“2週遅れ”でカバン達を追跡することになる。
この2週遅れで追跡するというのが“ミソ”で、
毎週ゲストとして登場したフレンズ(例えば第1話だとカバ)に、アライグマ達が“聞き込み調査”することで、
視聴者的には、ゲストフレンズに再会でき、カバン達との交流後の“後日談”が聞ける一種のファンサービスとしての一面も兼ね備える。(制作サイドとしてはせっかくモデリングした3DCG(ゲストキャラ)を再利用できて一石二鳥)
そもそも、アライグマがカバンを追う理由は“帽子を盗まれたから”らしいのだが、
犯人の容姿は目撃しておらず、“カバン=帽子泥棒”とは気づいていない。
一方、カバン達は訪れた“ちほー”に登場するゲストフレンズと交流し、そのフレンズの悩みを解決して、助け歩く、水戸黄門のような旅をしていた。
2週遅れで“じゃんぐるちほー”に到達したアライグマはなぜか河で溺れており、
河に架けられた橋のおかげで命拾いする。
近くを通ったコツメカワウソ(Aonyx cinerea)からこの橋を架けたのはカバンだと教えてもらい、カバンの存在を知ることになる。
以後、カバンのことを命の恩人と慕いつつ、聞き込み調査の度にカバンの偉業を耳にし、尊敬の念を募らせるが、そのカバンが帽子泥棒と同一人物だとは夢にも思わず追跡を続け、
遂に第11話で、カバン達に追いつき、対面する。
アライグマはカバン出生の秘密にも関わっており、第11話でパズルのピースが揃うことになる。
第6ブロックはここまでである。
本編のブロック解説は以上。
+α について
第1話には本編6ブロック以外にも、
- アイキャッチ(動物紹介コーナー)
- 主題歌(次週からオープニングテーマ)
- 予告(ペパプ予告)
の3ブロックが存在する。
予告に登場するPPPはエキストラ的な扱いだったが、第8話「ぺぱぷらいぶ」で本編に登場し、5人組のアイドルユニットだと判明、予告でも毎回登場するとういう性質上、ある意味レギュラーメンバーとも言える。
左から順に、
PPP(ペパプ)内訳
- イワトビペンギン(Eudyptes chrysocome)
- フンボルトペンギン(Spheniscus humboldti)
- ロイヤルペンギン(Eudyptes schlegeli)
- コウテイペンギン(Aptenodytes forsteri)
- ジェンツーペンギン(Pygoscelis papua)
これら+αについては別記事で詳細に言及したいと思う。
総括
今回、『けものフレンズ』第1話「さばんなちほー」の内容を、構造的に6ブロックまで分解し、考察してきたわけだが、
詳細に分析すればするほど、非常に丁寧にプロットが練られており、構成がしっかりしている事が分かる。
少数体制でありながら、アジャイル方式を駆使し、こだわる箇所には時間を割いて徹底的にディテールを追求する執念も垣間見れた。
昨今の深夜帯アニメが、生き残りをかけて“1話切り”を回避する為、無理やり刺激的で過激な1話に仕上げてくる中、
『けものフレンズ』は全12話というパッケージでの完成度、クオリティに重点を置いた構成に、1話の内容を調整している。
これは梶井斉編集長の「消費されるコンテンツ」ではなく、「今後100年続くIPを作りたい」という“思い”にも繋がる。
ただ、時代の流れとは逆行する部分もあり、放送直後は、あまり高評価は得られなかった。
特にAパート前半のプロットは昨今の過激な深夜帯アニメに毒された視聴者には退屈に感じてしまう。
そんな“1話切り”筆頭の『けものフレンズ』第1話の視聴継続に一役買ったのは、サーバルの“キャラクター性”ではないだろうか?
最初こそ、セリフの“棒読み”などと揶揄されていたサーバルだったが、Aパート後半には、早くもその評価に変化が生じ始める。
- 全てを受け入れ、全肯定してくれる優しいサーバル
- 些細な事にも大きなリアクションで喜んで、楽しんでくれるサーバル
現代社会の荒波に揉まれ、心身共に擦り減らして精気を失いかけていた人々は、
幼児のような純真無垢で、天真爛漫な部分と、
聖母のような慈悲深さと、慈愛に満ちた包容力を兼ね備えるサーバルに、
大いなる“癒し”を感じたはずだ。
また、洞察力の鋭い一部のイノベーターは“羊の皮を被った『けものフレンズ』の狼の部分”に早くも気づき始める。
カバンの旅が人類史をトレースしている点や、ポストアポカリプス要素などがそうなのだが、この情報の提示割合が絶妙といえる。
これは、たつき監督が意図的に“100人に1人”前後に気付く割合に調整していたようだ。
こうすることにより、さりげなくネタや謎を作品に仕込め、たつき監督からの“隠れメッセージ”に気付いた1人が、残りの99人に、ネット等を介して拡散してくれる。
この作り手とファンとの“信頼関係”は、たつき監督が長年、ニコニコ動画などへ自主制作作品を投稿してきた経験が活かされている。
演出後の各カットの長さも、コメントでツッコミが入れやすいように、コメント挿入用の“間”をあえて作っている。
この様に、たつき監督はテレビ放送だけでなく、ネット視聴のこともかなり意識して『けものフレンズ』を制作していたことが窺える。
『けものフレンズ』は回を重ねる度に、それまでの常識を覆す数値を叩き出し、評価を高めていき、
ネットを中心に“考察”と“けもフレ構文”が大流行する。
“IQが溶ける”と形容される“けもフレ構文”は、
- 「わーい!」
- 「たーのしー!」
- 「きみは●●が得意なフレンズなんだね!」
などといった、利用と応用の幅が広い、非常に汎用性のあるキャッチーなフレーズ群である。
このような視聴者参加型の“お祭り”状態にもっていけたのが、『けものフレンズ』ヒットの秘密ではないだろうか。
ヤオヨロズ株式会社 取締役でもある福原慶匡プロデューサーもヒットの要因を「『癒し系』というオブラートに包まれた縦軸に、横軸として骨太なストーリーが展開すること」と分析している。
そして第11話「せるりあん」放送後に巻き起こった“けもフレ11話ショック”を経てからの、
第12話「ゆうえんち」での感動のフィナーレを迎え、『けものフレンズ』は伝説となった。
あれほど、初見では退屈だと思われていた第1話に、すべての要素が凝縮され、詰め込まれていたことが、一周することで初めて気づくのである。
けもフレ1話はなぜ“早起き”なのか?
長々と20,000文字以上かけて語ってきたが、最後に“あえて”一言にまとめるならば、
“すべてが尊い”
からに他ならないであろう。
そんな特別な意味を持ち、愛され続ける『けものフレンズ』第1話。
もし、全話“おさらい”したくなった場合は下記参照。
それでは、今回はこの辺で考察を終わりにしたいと思う。
動画配信サービス(VOD)
当センターで特集している作品は、考察前提の作品群のため、何度も繰り返し視聴(予習・復習)した方が、より深淵の“本質”まで味わい尽くすことができる。
快適な“予習復習(周回)環境”を整えるためにオススメなのが、動画配信サービス(VOD)の導入。
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