GBLへ潜っていると、
異常に出し勝って4-1、5-0を連発できる日もあれば、
同じパーティが、次のセットや、次の日には全然勝てなくなり、
異常に出し負けて、1-4、0-5をやらかしてしまう日もある。
筆者は、GBLでの全ての対戦を記録しているが、対戦記録を眺めていると、
明らかな“偏り”つまり、マッチングの傾向や法則が見えてくる。
今回は、“マッチングの闇”について考察していきたい。
このレポートは、筆者の対戦記録(GBLシーズン3)に基づく考察記事であり、その内容の正確性、有用性、完全性等を保証するものではありません。
また、マッチングアルゴリズムは日々アップデートされているため、執筆当時のレポート内容から大きく仕様が変更されている場合があります。(一部、過去の仕様もGBL史の歴史的資料としてそのまま掲載しています)
マッチング調整の基礎
マッチングは対戦の“質”を決定する
対人戦において“マッチング”は、対戦の“質”を決定する最も重要な要素といえる。
このマッチメイキングシステムのデザインによって、対戦の公平性や、充実感、納得感が変わってくる。
理想的なマッチング
マッチングの基本は、実力の近いトレーナー同士でマッチングすること。
実力差のありすぎるマッチングは、対戦の面白さが半減してしまう。
例えば、上級者からすると、初級者相手では、手応えが感じられないし、
初級者からすると、上級者相手では、一方的にボコられ、蹂躙され、全然、勝てる喜びを味わえず、楽しくない。
“イイ試合”をするには実力が拮抗しているのが望ましい。
レート対戦による実力の評価
実力を評価する指標として、GBLでは、レート対戦が採用されている。
試合数をこなすことで、実力を正しく反映した、適正レートに収束し、
「レートが近しい=実力が近しい」
という状態になる。
原則、レートの近い者同士がマッチングするように調整されるため、実力の近い相手とマッチングするようになる。
ポケモンには“相性”がある
ただ、ポケモンには“タイプ相性”が存在するため、どんなに実力が相手より上回っていても、じゃんけんの“チョキ”で、“グー”に勝つのは難しい。
このように、パーティ相性によって、明確な有利不利が存在するため、マッチングを“完全なランダム”にしてしまうと、
実力よりも、“運”の要素で“強さ”が評価されてしまい、
実力を正しく反映した、適正レートに収束させることができなくなってしまう。
試合開始時点で有利不利がある
チェスや将棋などの“強さの評価”には、イロレーティングがよく採用されているが、イロレーティングは、初期状態に於ける勝率が、対等であると仮定し、レート算出を行なっている。
そこで、囲碁では“コミ”によって試合開始時点での有利不利を均したり、試合数をこなすことで、先手後手が入れ替わり、試合開始時点の公平性を担保している。
一方、GBLでのルールではどうであろうか?
ポケモンには明確な“タイプ相性”が存在するため、
お互い対等な条件からのスタートではなく、試合開始時点で既に、
大きな有利不利が生じた状態で試合がスタートするケースが多い。
試合開始時点で有利不利がある
「初手チルタリス」VS「初手トリデプス」 | |
GBLでは、パーティの強さだけでレートが決まらないように、もっと多角的にトレーナーの実力を評価するため、
レーティングの不確実性(RD)や、対戦ごとのレーティング変動の度合い(例えば、強い相手に勝つとレートが大きく上がり、弱い相手に敗けると大きくレートが下がる仕組み)を考慮してレート計算のできる、拡張版の「グリコ2レーティング」を参考に、
初期対面勝率(パーティ構成の傾向)や過去の対戦履歴を考慮した動的なマッチメイキング、
シーズン制(レートのリセット)やランクシステムを実現するために、独自アルゴリズムを採用していると思われる。
マッチング操作の必然性
相性による有利不利の均衡化
完全なランダムマッチングでは、パーティの選出相性で、たまたま運が良かっただけのトレーナーが、実力以上の評価を得てしまう。
正確な“強さ”を測るためには、運営側でマッチングをコントロールして、
選出相性による有利不利の均衡化を行う必要がある。
不正対策
また、マッチングを運営側でコントロールすることで、
“不正対策”も講じられる。
完全なランダムマッチングでは、人の少ない時間を狙って、捨て垢でレートを配ったり、身内や組織ぐるみで結託して、レートを操作される可能性が生じる。
特にレジェンド(旧ランク10)チャレンジは、挑戦者が限られるため、現状でもレジェンド達成者が“わざと降参”して身内へレートを配る、レジェンドチャレンジへの補助行為が問題視されているが、
こういった犯行を、組織ぐるみで意図的に実行されないためにも、運営側でマッチングをコントロールする必要があるだろう。
「マッチング調整の基礎」まとめ
- 実力の近い相手とマッチングするのが理想
- チェスや囲碁などと違ってポケモンにはタイプ相性による明確な有利不利がある
- 試合開始時点の公平性を担保する必要がある
- GBLでは“パーティの強さ”だけでレートが評価されないようにデザインされている
- 不正対策
マッチング調整に関するよくある“誤解”の一つに、特定のアカウントだけを優遇したり、冷遇して、出し勝ちさせたり、出し負けさせるために、マッチングを“操作”しているというものがある。
マッチング調整は、こういった誤解とは“真逆”で、マッチング運によって、レートが過大評価や過小評価されないために、できるだけパーティ相性を、均衡化し、実力による強さの評価をレートに反映させるための調整だといえる。
ここを誤解していると、本質を見誤るので、十分注意してほしい。
マッチング調整の実態
選出相性マトリックス
- X軸(左右の軸)が、初手の「出し勝ち」「出し負け」(初手の対面相性)
- Y軸(上下の軸)が、裏対面の「有利」「不利」(裏の対面相性)
パーティの選出相性 | 解説 |
出し勝ち・裏対面有利 (選出勝ち) |
自身が致命的なプレミをしない限り、綺麗に後追いして、勝ち確。 |
出し勝ち・裏対面互角 (選出勝ち~選出負け) |
出し勝ちのアドを守れれば勝てるが、シールド運用を誤ると危険、予断を許さない。 |
出し勝ち・裏対面不利 (選出負け) |
対面を崩されたり、シールドアドを取られると、捲くられる可能性が高い。 |
引き分け・裏対面互角 (互角選出) |
ミラーパなど。有利不利がほぼ互角のため、シールドアドや、立ち回りで勝敗が決まる。 |
出し負け・裏対面不利 (選出負け) |
相手が致命的なプレミをしない限り、綺麗に後追いされ、負け確。 |
出し負け・裏対面互角 (選出負け~選出勝ち) |
初手の運用と、シールド運用で勝敗が決まる。基本は劣勢。 |
出し負け・裏対面有利 (選出勝ち) |
対面を崩したり、シールドアドを取れれば、捲くれる可能性が高い。 |
※冗長な組合せは省略 |
パーティ(構築)じゃんけん
PvPを少し齧っているトレーナーなら、“出し負け”や、“出し勝ち”については、周知の事実だろう。
ただ、ポケモンには、
“初手”の有利不利の相性だけでなく、
“裏”にも有利不利の相性が存在する。
出し勝ったのに捲くられた場合、裏のポケモンの相性で負けていた可能性が非常に高い。
こういった、パーティ単位の有利不利を、
“選出勝ち(パーティ勝ち)”、
“選出負け(パーティ負け)”という。
対面勝率によるマッチング・テーブル
概念図
「選出相性マトリックス」でも説明したように、出し負け、出し勝ちという初手の対面相性だけでなく、裏にも有利不利の対面相性が存在する。
このような初手と裏を合わせた、パーティ単位での有利不利を、
選出負け(パーティ負け)、選出勝ち(パーティ勝ち)と言って、
パーティ相性的に、どうあがいても、
“絶対に勝てないパーティ”が出てくる。
手持ちの有利不利
ポケモンGOは“位置情報ゲーム”であるがゆえに、
どうしても、“地域格差”による手持ちの戦力差が生じやすい。
GBLシーズン6からは、PL上限が解放され、新たにアメXLという廃人要素も追加された。
更なる格差が生まれた、このような状況下で、自分の手駒では、絶対に勝てないパーティが環境に溢れ、そのパーティとしかマッチングできなくなってしまったら、その時点で詰んでしまう。
前述の通り、GBLではパーティの強さだけでレートが決まらないようにデザインされているため、
すぐにアメXLを調達できるような廃人や、あらゆる環境変化に即座に対応できる手持ちの充実した廃人だけが、一方的な有利とならないようにも、マッチング調整は存在している。
強すぎるパーティの無双
GBLプレシーズンのマスターリーグでは、結論パと呼ばれる「相棒ディアルガ、ギラオリ、メルメタル」を所持しているかどうかで、ランク10難易度に天と地ほどの開きがあった。
当時の環境的に、パーティ自体があまりに“強かった”ため、本来の実力よりもパーティの強さだけでレートが過大評価される案件が多発したが、
どれも期間限定伝説レイドや、入手法が特殊な幻ポケモンだったため、
新参勢や復帰勢など、その時点で手駒になかった場合、後から用意するのが困難で、より格差が広がる事態となった。
この反省を活かし、強すぎるパーティが無双しないように、マッチング調整が日々アップデートされているのだと思われる。
初期対面勝率を50%に収束するように調整
ここまでを踏まえ、運ではなく、実力で“強さ”を評価できるように、
運営側でマッチングを調整する必然性について述べてきたが、
ここからは、そのマッチング調整の実態について考察していきたい。
パーティの選出相性 | 解説 |
出し勝ち・裏対面有利 (選出勝ち) |
自身が致命的なプレミをしない限り、綺麗に後追いして、勝ち確。 |
出し勝ち・裏対面互角 (選出勝ち~選出負け) |
出し勝ちのアドを守れれば勝てるが、シールド運用を誤ると危険、予断を許さない。 |
出し勝ち・裏対面不利 (選出負け) |
対面を崩されたり、シールドアドを取られると、捲くられる可能性が高い。 |
引き分け・裏対面互角 (互角選出) |
ミラーパなど。有利不利がほぼ互角のため、シールドアドや、立ち回りで勝敗が決まる。 |
出し負け・裏対面不利 (選出負け) |
相手が致命的なプレミをしない限り、綺麗に後追いされ、負け確。 |
出し負け・裏対面互角 (選出負け~選出勝ち) |
初手の運用と、シールド運用で勝敗が決まる。基本は劣勢。 |
出し負け・裏対面有利 (選出勝ち) |
対面を崩したり、シールドアドを取れれば、捲くれる可能性が高い。 |
※冗長な組合せは省略 |
パーティの選出相性は表の通り、主に7つのパターン(冗長な組み合わせは省略)に分類できるが、このパーティの選出相性をマッチング調整で均衡化すれば、試合開始時点の公平性を担保できる。
そこで、「対面勝率によるマッチング・テーブル」の概念図のように、
セットごとに「マッチング・テーブル」を組んでいるという考え方をする。
あくまで概念図のため、ここまでセットごとに、綺麗に、出し勝ちや、出し負けが続くことは稀だが、
ここで伝えたいことは、パーティ相性の均衡化を図るため、
初期対面勝率が50%に収束するように、
運営側でマッチングを調整している点である。
ポイント
初期対面勝率とは、試合開始時点の初期状態を考慮した勝率で、換言すると、パーティ相性を考慮した勝率ともいえる。
レーティングシステム自体にも、適正レートに近づくにつれ、勝率が50%に収束する作用はあるが、
ポケモンには“タイプ相性”による有利不利が存在するため、この相性を考慮していない勝率では、本来の実力よりも過小評価や過大評価されたレートになってしまうため、
初期対面勝率が50%に収束する調整が別途、必要になってくる。
環境読みの意味
マッチング運によって、強さが評価されないように、運営側で初期対面勝率が50%に収束するよう、マッチング調整が行われているとすると、
ミクロ環境の“読み”はあまり意味がないといえる。
例えば、出し負けセット時、自分は初手にカイリューを使っていると、異常に初手トゲキッスが続く時がある。
この時、トゲキッスに出し勝てるメルメタルに初手を変えても、運営のマッチング調整によって、今度は、初手がグラードンのパーティとマッチングさせられるため、
環境を読んで初手を変えるよりも、今、どのマッチングテーブルに乗っているかを把握した方が対処しやすい。
(不利なマッチングテーブルに乗った場合は、無闇に初手で出し勝ちすることを狙うのではなく、後述する、バフデバフ持ちのポケモンや、ブラフ性能の高いポケモンを組み込んだパーティに切り替えるなどで対処する)
ただし、後述する、マクロ環境の“読み”に関しては、レジェンドランクを目指す場合、必要不可欠なので、混同しないように。
環境の種類 | 解説 |
マクロ環境 | 運営の方針によって形成される環境 |
そのシーズン固有の環境(技の追加や調整、新世代ポケモンの追加など) | |
ミクロ環境 | プレイヤーの活動によって形成される環境 |
初手やパーティなどの流行り廃りで、リアルタイムで変化を続ける現場環境 |
環境についての詳細は、下記、関連記事も参照
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マッチングする相手について
マッチングする相手は、通常、1度マッチングすると、再び同じ相手とマッチングするのに、一定期間の間隔が空く。
同じ日に、同じ相手とマッチングすることは、ほぼないが、
パーティを変えた場合は、同日中でも、同じ相手とマッチングする可能性がある。
マッチングテーブルの噛み合わせがあるため、狙ってできるものではないが、
この事から、トレーナー単位よりも、パーティ単位でのマッチング調整が優先されていると思われる。
マッチングアルゴリズムは日々、アップデートされているため、同じパーティの対戦相手と同日中にマッチングするケースも確認されている。特に人口の少ないレート帯や環境が狭いケースで、マッチング・テーブルの候補自体が少ないと、テーブルを優先し、同じ対戦相手の同じパーティが選ばれやすい傾向にある。
マッチングキャンセルについて
正当なマッチングキャンセル
- 入るリーグを間違えた時
- 使うパーティを間違えた時
- 相棒ブースト忘れ
悪質なマッチングキャンセル
- スナイプ目的
- 接待目的
- レート格差回避目的
本来マッチングキャンセルは、入るリーグを間違えた時や、使うパーティを間違えた時、相棒ブースト忘れなど、
しょうもないケアレスミスで、負けをもらわないための救済措置として存在するのだが、
この機能を私利私欲のために使うトレーナーが一部存在する。
一番悪質なのはスナイプ目的でのマッチングキャンセルで、これに関しては言及するまでもないが、
実は、多くのトレーナーが無自覚でやってしまっているマッチングキャンセルも存在する。
マッチング・テーブルによっては、対象パーティを使っている人が少なくて、マッチング検索に時間がかかる場合があるのだが、
この時、マッチングの時間が長引くほど、レート格差のあるマッチングになりやすい。
レーティングの仕様上、格下の相手に勝ってもレートは微増しかしないが、もし、格下の相手に負けてしまうと、一気にレートを吸われてしまう。
これを嫌って、マッチング検索に時間がかかった場合、意図的にリセットする行為が一部見受けられるのだが、
これも、広範の意味合い的には、自分に都合の良い“マッチング操作”だと言わざるを得ない。
あまり頻繁にマッチングキャンセルを行うと、システム側でスパム行為だと認識され、マッチング・テーブルが不利に組まれるペナルティが科される可能性があるため、十分注意したい。
2021年5月12日から、不正なマッチングキャンセルには、ペナルティが科されるようになった。
マッチング調整を乗り越えて
「0-5」「5-0」で動揺しなくていい
レートが動かないテーブル
初期対面勝率が50%に収束するように、マッチングが調整されているとすると、どこかで自身の勝率を50%以上にできれば、相対的にレートは上がっていく。
ちなみに、レジェンドランクを目指す場合は、勝率55%~60%が目安と言われている。
パーティの選出相性 | 解説 |
注目 出し勝ち・裏対面有利 (選出勝ち) |
自身が致命的なプレミをしない限り、綺麗に後追いして、勝ち確。 |
出し勝ち・裏対面互角 (選出勝ち~選出負け) |
出し勝ちのアドを守れれば勝てるが、シールド運用を誤ると危険、予断を許さない。 |
出し勝ち・裏対面不利 (選出負け) |
対面を崩されたり、シールドアドを取られると、捲くられる可能性が高い。 |
引き分け・裏対面互角 (互角選出) |
ミラーパなど。有利不利がほぼ互角のため、シールドアドや、立ち回りで勝敗が決まる。 |
注目 出し負け・裏対面不利 (選出負け) |
相手が致命的なプレミをしない限り、綺麗に後追いされ、負け確。 |
出し負け・裏対面互角 (選出負け~選出勝ち) |
初手の運用と、シールド運用で勝敗が決まる。基本は劣勢。 |
出し負け・裏対面有利 (選出勝ち) |
対面を崩したり、シールドアドを取れれば、捲くれる可能性が高い。 |
※冗長な組合せは省略 |
もう一度、「対面勝率によるマッチング・テーブル」の概念図を見てほしいのだが、
冒頭でも述べたように、4-1、5-0が続いた時は、パーティの選出相性的に、
「出し勝ち・裏対面有利(選出勝ち)」のテーブルに乗った可能性が高い。
この場合、自身が致命的なプレミをしない限り、綺麗に後追いすれば、勝ち確のため、
レートも確実に上げられる。
逆に、1-4、0-5をやらかしてしまった時は、
「出し負け・裏対面不利(選出負け)」のテーブルに乗った可能性が高い。
この場合、相手が致命的なプレミをしない限り、綺麗に後追されて、負け確のため、
レートは確実に下がる。
この、「出し勝ち・裏対面有利(選出勝ち)」、「出し負け・裏対面不利(選出負け)」テーブル時は、
立ち回りや、プレイスキルというよりは、パーティの相性で勝敗が決まってしまうため、
全体で見ると、勝ちと負けで相殺され、
実は、レートの動かないテーブルだといえる。
5-0や0-5は、一喜一憂し、心乱されるが、全体で見ればレートの動かないテーブルのため、心の平静を保つことが肝要
レートが動くテーブル
パーティの選出相性 | 解説 |
出し勝ち・裏対面有利 (選出勝ち) |
自身が致命的なプレミをしない限り、綺麗に後追いして、勝ち確。 |
注目 出し勝ち・裏対面互角 (選出勝ち~選出負け) |
出し勝ちのアドを守れれば勝てるが、シールド運用を誤ると危険、予断を許さない。 |
注目 出し勝ち・裏対面不利 (選出負け) |
対面を崩されたり、シールドアドを取られると、捲くられる可能性が高い。 |
注目 引き分け・裏対面互角 (互角選出) |
ミラーパなど。有利不利がほぼ互角のため、シールドアドや、立ち回りで勝敗が決まる。 |
出し負け・裏対面不利 (選出負け) |
相手が致命的なプレミをしない限り、綺麗に後追いされ、負け確。 |
注目 出し負け・裏対面互角 (選出負け~選出勝ち) |
初手の運用と、シールド運用で勝敗が決まる。基本は劣勢。 |
注目 出し負け・裏対面有利 (選出勝ち) |
対面を崩したり、シールドアドを取れれば、捲くれる可能性が高い。 |
※冗長な組合せは省略 |
レートを上げるには、
- 「出し勝ち・裏対面不利(選出負け)」
- 「出し勝ち・裏対面互角(選出勝ち~選出負け)」
- 「引き分け・裏対面互角(互角選出)」
- 「出し負け・裏対面互角(選出負け~選出勝ち)」
- 「出し負け・裏対面有利(選出勝ち)」
上記リストのような、パーティの相性よりも、
立ち回りや、プレイスキルの影響が大きいマッチング・テーブルの時に、
どれだけ負けを抑え、勝ち星を拾えるかに、全てがかかっている。
瞬間最大風速に乗る
レジェンドチャレンジの場合は、一瞬でもレート3000にタッチできればレジェンド達成できるため、コツコツとレートの動くテーブルでレートを上げ、
レート3000が狙える射程圏内(レート2900~)まできたら、出し勝ちテーブルのセットが来るまで耐え忍んでレートを維持し、
出し勝ちテーブルのセット時(「出し勝ち・裏対面有利(選出勝ち)」)に“瞬間最大風速”を出して、
一気にレート3000にタッチするするという戦略もある。
とはいえ、レートの動くテーブルでコツコツと実力とレートを上げるのが、基本なのに変わりはない。
レートを上げるポイント
ミラーは絶対に負けない
特に、「引き分け・裏対面互角(互角選出)」テーブル、
つまり、相手と初期対面の条件が対等な、“ミラーパ”は、
絶対に負けてはいけない。
パーティを構築した際に、一番最初にルーティーン(定石行動)を決定せねばならないのが、ミラー対面のルーティーン。
行き当たりばったりでは、貴重な勝ち星は拾えない。
有利対面の維持
次に、「出し勝ち・裏対面互角(選出勝ち~選出負け)」テーブル。
裏対面は互角で、対面を維持できれば勝てるため、“出し勝ちのアドバンテージ”を殺さないよう、対面を維持しつつ、シールド差にも意識を向けておきたい。
対面を崩せるかが鍵
最後に、「出し負け・裏対面互角(選出負け~選出勝ち)」テーブル。
このテーブルは、対面を崩せれば、一気に勝ちが濃厚となる。
この時に重要なのが、“引き先”の性能。
対面を崩せるポテンシャルがあれば、ほぼ勝ち確だが、最低でもシールドアドをとれる“引き先”でないと厳しい。
戦況を覆すポイント
- シールド駆け引きの択に持ち込む
- バフ・デバフを仕掛ける
- 交代受けを成功させる
レートを上げるポイントは、
不利なマッチング・テーブルの時に、いかに負けを抑え、勝ち星を拾えるかにある。
不利な状況から、戦局の流れを変えるには、
時には、“戦略的運頼み”も必要になってくる。
シールド駆け引きや、バフ・デバフは、形勢を逆転できる強力な要素のため、
パーティ構築時に、バフデバフ技持ちや、ブラフ性能の高いポケモンを組み込むことは、
GBLのような試合数をこなして勝率を競うルールでは極めて重要だといえるだろう。
「マッチング調整」VS「結論パ」
100点の立ち回り
レートを上げるには、レートの動くテーブルで、できるだけ勝ち星を拾うことが重要だと述べてきたが、ポケモンはどこまでいっても“相性ゲー”のため、
相手に“100点の立ち回り”をされると、
レートの動くテーブル時でも、絶対に勝てないパーティが出てきてしまう。
結論パ(テンプレパ)
レートの低いうちは通用していた立ち回りも、高レート帯では、通用しなくなるケースが多々あるが、
これが、自分のパーティの限界だといえる。
レジェンドランクのような頂上を目指す場合、そのシーズン固有の環境、マクロ環境下での、
お互い、100点の立ち回りをした時、一番、勝率の高いパーティ、
つまり、そのシーズンの“結論パ(テンプレパ)”を発見、運用できるかが鍵を握る。
「結論パ」と「テンプレパ」
黎明期環境のようにポケモンの種類が少なかった時代や、非常に狭い環境の特殊レギュレーションの場合は、“結論パ(最強パーティ)”が生まれる可能性もあるが、
ポケモンの種類も、わざの数も増え、環境の広くなった現環境では、“結論パ(最強パーティ)”が生まれる可能性はだいぶ厳しくなってしまったため、
“最新シーズン対応のテンプレパ”が、実質、そのシーズンの“結論パ”という時代となった。
意表を突くマイナーパ
“結論パ”は、期間限定レイドの伝説ポケモンや、育成難易度の高いムキポケなど、
そのパーティを“使える人が少ない”ことも条件に入る場合が多々ある。
“結論パ”は、相手に100点の立ち回りをされても、そのシーズンの環境で、一番勝率の高いパーティだが、
“結論パ”を用意できない場合は、マイナーパを使うのも一つの手になる。
マイナーポケモンなら、マッチングした相手がマイナーポケモンに対する、
100点の立ち回りを用意していない可能性があるからだ。
こういった知識差を利用して、本来なら不利な選出時でも、細い勝ち筋をつかめる場合があり、少しでも負けを抑えるためには重要な要素だといえる。
この時に大事なのは、必ず、立ち回りも含めて自分は、マイナーパを完璧に使いこなせる状態にしておくこと。
自分も使い慣れていない即席パーティでは、ボコられ、レートを吸われて終わりである。
「結論パ」まとめ
- マッチング調整で“強すぎるパーティ”が無双しないようになっている
- レートの動くテーブルでも、相手に100点の立ち回りをされると、“絶対に勝てないパーティ”が浮き彫りとなる
- お互い100点の立ち回りをした時、一番、勝率の高いパーティが、そのシーズンの“結論パ”
- “結論パ”は、入手難易度や、育成難易度が高く、“使える人が少ない”ケースが多々ある
- “結論パ”を用意できない場合は、マイナーパを使うのも手
マッチング調整に懐疑的な人へ
- 環境に刺さっていないパーティを使っている
- 補完の悪いパーティを使っている
- 感覚派で実力が安定していない
- パーティをコロコロ変えている(熟練度の低いパーティの使用)
- 適正レートから外れたレート帯にいる
普段GBLに潜っていても、あまりマッチング調整を体感していない人もいる。
そういった人は、上記チェック項目に当てはまっている可能性がある。
一つずつ見ていく。
「マッチング調整」の定義
まず、マッチング調整について定義しておきたい。
ここが共通の前提になっていないと意味がないからだ。
「マッチング調整」とは、
パーティを固定していても、パーティをコロコロ変えていても、どちらの場合でも、
「パーティ勝ちセット」のテーブル時は、楽に勝てる試合が続き、
「パーティ負けセット」のテーブル時には、絶望的な試合が続き、
「互角対面セット」のテーブル時には、自分のプレイングスキルで勝敗が決まる試合が続く。
以上が、マッチング調整の定義となる。
下記では、これらをプレイヤーが“体感”しやすいかどうかについて、状況ごとに解説している。
環境に刺さっていないパーティを使っている
GBLでは環境がマンネリ化しないように、運営によるテコ入れが定期的に行われている。
新シーズン開幕での新技の実装や、技性能のバランス調整が代表的な例だろう。
これはシーズン毎に、強いポケモン、所謂、“環境に刺さるポケモン”が切り替わり、逆に言えば、バランス調整による弱体化を食らうポケモンが生まれることを意味する。
“環境に刺さっていないポケモン”を使ってしまうと、シンプルに性能差でゴリ押され、
選出勝ちの減少や、互角対面で勝ちきれないため、マッチング調整の波は感じにくくなる。
補完の悪いパーティを使っている
自身のパーティの「タイプ補完バランス」が悪いと、所謂、完成度の低いパーティに分類されるため、選出勝ちテーブルに乗っても思うように勝てず、マッチング調整の波を感じにくい傾向がある。
また、上級者が意図的に使っている「プレイング依存パーティ」も、パーティコンセプト自体が、どのパーティに対しても、大勝しない代わりに大負けもしないという構築のため、マッチング調整の波を感じにくい。
感覚派で実力が安定していない
同じパーティとマッチングした際、感覚に頼ってプレイするのが原因で、その時々で勝ったり負けたりといった具合いに、自身の実力が安定しない場合も、マッチング調整の波を感じにくい。
念のため断りを入れておくと、感覚派のプレイヤーでもセンスがあり実力の安定している感覚派はこの限りではない。
パーティをコロコロ変えている(熟練度の低いパーティの使用)
パーティを毎回コロコロ変え、対面相性やダメージ感覚、立ち回りなどが安定していないと、マッチング調整の波は感じにくい。
パーティの熟練度が高い方が、実力が安定するからである。
ここでの本質は、パーティをコロコロ変えること自体ではなく、熟練度の低いパーティを使うことが問題のため、
100点の立ち回りができるパーティ(熟練度の高いパーティ)を複数持っていて、そのパーティをコロコロ変えるのは全く問題ない。
適正レートから外れたレート帯にいる
アプリのver.と端末の相性で発生する特定環境でのバグや、新パーティを試運転中にレートを爆下げするなど、自身の実力に見合う所謂、適正レート帯から外れてしまうことはよくある。
前述の例では、アプリの更新や端末の機種変、馴染みのパーティに戻すなどして、本来の実力が発揮できる状態に戻ると、マッチング調整によって、不利なパーティを当てられても、実力差があって勝てるため、マッチング調整の波を感じにくい。
勿論、逆のパターンもあり、新パーティが環境に刺さってレート爆上げ後、リーグが切り替わっていつものパーティで潜ると、周囲に格上しか居らず有利なパーティと当たっても実力差で負け、マッチング調整の波を感じにくいパターンもある。
まとめ
- 実力が安定している
- パーティの熟練度が高い
- 適正レート帯にいる
前述の例からも分かるように、マッチング調整を感じとるには、「実力が安定」していて、使っている「パーティの熟練度」が高く、「適正レート帯」にいる必要がある。
ここで注意してほしいのは、マッチング調整は、各々が感じたり意識するか否かに関わらず、等しく平等に発動しているという点だ。
どんなパーティを使おうと、実力が不安定であろうと、適正レート帯から外れていようと、マッチング調整自体は発動している。
それを体感しやすいかどうかは、「実力の安定」「パーティの熟練度」「適正レート帯」が関係しているという話だ。
そして、これまで解説してきた通り、マッチング調整は、プレイヤーに不利に働く調整ではなく、むしろ実力を正しく評価するための調整だと理解できたと思う。
マッチングに不平不満を漏らすよりも、スキルや構築力を磨くことにエネルギーを注げば、レートも自ずと上がっていくだろう。
なぜ互角対面だけでマッチさせてくれないのか?
なぜ互角対面だけでマッチさせてくれないのか?
運営がマッチング調整しているなら、なぜ、わざわざレートの動かない「パーティ勝ちセット」や「パーティ負けセット」を組み込むのか訝しげに思っている層もいるだろう。
特にプレイングスキルに長けるトップ層は、プレイングで勝負ができない「パテ負けセット」のテーブルに納得がいかない気持ちはよく理解できる。
しかし、運営視点で鑑みると、致し方ない部分もあるだろう。
まず、シンプルにGBLの競技人口が非常に少ないことが原因の一つだといえる。
互角対面のセットだけをマッチングで探してくるために、毎回、1時間も2時間もマッチングを待たされて、それでも本当にGBLを楽しめるのか?
現在のマッチング時間で済んでいるのは、「パーティ勝ちセット」や「パーティ負けセット」も込みのプレイ人口から対戦相手を探してきているから成立していると言える。
(ただでさえ、超高レート帯や、超低レート帯では、プレイ人口が少ないため、現状でもマッチング時間に非常に時間がかかっている。)
また、GBLへの新規プレイヤー定着のためにも、「パーティ勝ちセット」や「パーティ負けセット」は絶対に必要になる。
プレイングスキルに長けるトップ層が、GBLを楽しめているのは、自分より弱いプレイヤーがGBLを辞めずに残っていて、現状では“勝てている”からに他ならない。
同様に、新規プレイヤーや既存の中堅層も、「パーティ勝ちセット」でたまに勝てる喜びがあるからGBLを辛うじて続けている。それがもし、全然、勝てる体験が得られなくなったら、GBLを見限った人からどんどんGBLを辞めて去っていくだろう。
それはごく単純な話で「勝てない対人戦ほどつまらないものはない」からだ。
初心者でも、「パーティ勝ちセット」で、ちゃんと勝てる体験ができているからこそ、なかなかプレイングが上達しない人でもGBLに定着してくれる可能性が残される。
こういった「パーティ勝ちセット」の仕組みがなくなり、前述の理由でGBL人口が減り続ければ、
GBLはどんどん廃れ、極一部の“GBL廃人”のみの村ができあがり、競争の激化した村で、自身も遂に勝てなくなって辞めるか、対戦する相手が誰もいなくなるかのどちらかの未来しかない。
GBLを愛するトップ層ほど、新参勢や中堅層がGBLを見限らずに残ってもらえるように、時にはサンドバッグ役(レート格差のあるパテ負けセット)を甘んじて受け入れる器の大きさが必要だろう。
マッチングアルゴリズムは日々アップデートされているため、レポート内容から大きく仕様が変更される可能性もあります。(レポート内容の正確性、有用性、完全性等を保証するものではありません。)
余談
レジェンドランク(旧ランク10)達成条件について
巷では、あまりにレジェンドランク(旧ランク10)達成条件が厳しいため、
レートではなく、勝利数で「レジェンド(旧ランク10)」達成でいいのでは?
といった、意見も出ているようだ。
しかし、やはり勝利数では、簡単に不正ができてしまうため、
勝利数で「レジェンド(旧ランク10)」達成は「適切ではない」と筆者は考える。
まず、ナイアン(Niantic, Inc.)が、ここまで「レジェンド(旧ランク10)」達成条件を厳しくしているのは、
「GBLにとってレジェンド(旧ランク10)は特別な称号」だからだ。
不正や分不相応な者が、レジェンド(旧ランク10)を手にすべきではないとナイアン(Niantic, Inc.)は考えている。
とはいえ、ナイアン(Niantic, Inc.)も、人の子、バグもあるし、不手際もある。
誰だって、今のGBLが完璧だとは思っていない。
長い目で、GBLが成熟していくのを、温かく見守っていくしかないだろう。
GBLシーズン5特別措置
GBLシーズン6からランクシステムの大幅なリニューアルが決定し、
最高ランクが従来のランク10からランク24まで拡張された。
このリニューアルを受け、シーズン5では、マスクドピカチュウのバラ撒きを兼ねた、
誰でも頑張れば、記念にランク10達成が可能な難易度まで下げられた。
PvPガチ勢は、シーズン6から新たに、
特別な称号“レジェンドランク(ランク24)”を目指すことになる。