去る2018年12月、ポケモンGOのバトル環境が大きく変わった。
そう、遂にPvP(対人戦)が実装されたのである。
これまで、高個体値厳選に明け暮れた毎日、果たして対人戦でも通用するのだろうか?
この記事では、対人戦から導入された、CP制限リーグでの個体値厳選の方向性など、CPやダメージ計算にまで踏み込んで解説していきたい。
CP(Combat Power)とは何か?
ステータスは「攻撃力」「防御力」「HP」の3つ
PvP(対人戦)実装を機に、今一度、CP(Combat Power)について、おさらいしたいと思う。
ポケモンGOにおいて、CPとは何であろうか?
ざっくり、CPと「ポケモンの強さ」が関係していることは、体感済みだと思うが、なぜ、CPと「ポケモンの強さ」が関係しているのかを、これから紐解いていきたい。
まず、「ポケモンの強さ」を決定する要素の1つに、ステータスがある。
そして、ポケモンGOでのステータスは、攻撃力、防御力、HPの、3つしかない。
ちなみに、この3つのステータスは、種族値、個体値、CPM(PLごとに設定された乗数)から導き出されている。
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ポイント
- ポケモンGOのステータスは【攻撃力・防御力・HP】の3つ。
- この3つのステータスは【種族値・個体値・CPM】から導き出される。
CPは「攻撃力」「防御力」「HP」をまとめたもの
ポケモンGOでは、ポケモンのステータス画面を見ても、上記3つのステータスのうち、HPしか確認することができない。
だからといって、攻撃力と防御力が消えてなくなったわけではなく、前述の通り、ポケモンGOではこの3つのステータスを元にダメージ計算が行われている。
ナイアン(Niantic, Inc.)は攻撃力と防御力を“隠しステータス”にした代わりに、これら3つのステータスをまとめた、“CP(Combat Power)”を使ってポケモンの強さを表した。
「Adventure on foot with others」を社是として掲げるナイアン(Niantic, Inc.)は、
「人々を冒険に連れ出すこと」を使命としているため、ポケモンGOは屋外プレイが前提となる。
そうなると、できるだけ“シンプル”であることが求められる。
原作のポケモンのように、快適な屋内でじっくり戦略を練りながら行うバトルとは、そもそもコンセプトが違うのだ。
ポケモンGOでは、ポケモンをきっかけに“冒険にでかけること”が根幹のコンセプトにあるため、屋外で立ち止まって行うバトルは、できるだけスピーディーに完結することが求められた。
そのため、ジム戦でもレイドバトルでも、バトルにおいての最重要評価ポイントは、如何に“早く”倒すか。
この考えを前提にすると、CP計算の設計意図が自ずと見えてくる。
ポイント
- ステータス画面で確認できるのはHPとCPだけ。
- 攻撃力と防御力は“隠しステータス”。
- CPは攻撃力、防御力、HPをまとめたもの。
- 強さの指標をCPにしたのは“シンプルさ”追求のため。
CPの実態
前述の通り、ポケモンGOでのバトルは、いかに相手を“早く倒すか”が、重要だった。
一般ユーザーが、ゲーム内で目視できるのは、
相手を“早く倒す評価”を数値化した「CP」と、
相手からの攻撃に“どれだけ耐えられるか”の実数値である「HP」なのだが、
初心者や、ライトユーザーにとっては、「CP」の数値が高い=「強い」という認識で概ね問題なく、ゲームのコンセプトである“シンプルさ”の担保として、非常に優れた評価軸であったが、
ガチ勢や、ヘビーユーザーにとっては、CPでのポケモン評価は、大味というか、大雑把というか、特にジム防衛時のポケモンの強さとの乖離が大きかった。
ポイント
- CP:相手を早く倒す評価を数値化したもの。
- HP:相手の攻撃から、どれだけ耐えられるかを表す数値。
攻撃力偏重のCP計算式
ポケモンGOでは、これまでの解説の通り、“相手を早く倒す”ことに重点を置いて“強さ”の評価をしてきた。
それが“CP”という指標である。
CP計算式
$$CP=\frac{(B.Atk+Atk.IV)\times\sqrt{(B.Def+Def.IV)}\times\sqrt{(B.HP+HP.IV)}\times CPM^2}{10}$$
※小数点以下切り捨て
計算式が見切れる場合はスクロール
CP(Combat Power) | 戦闘力 |
B.Atk(Base Attack) | 攻撃種族値 |
Atk.IV(Attack Individual Value) | 攻撃個体値 |
B.Def(Base Defense) | 防御種族値 |
Def.IV(Defense Individual Value) | 防御個体値 |
B.HP(Base Stamina) | HP種族値 |
HP.IV(Stamina Individual Value) | HP個体値 |
CPM(Combat Power Multiplier) | 戦闘力乗数 |
CP計算式では、防御力とHPは平方根が使われており、攻撃力に比べるとCPに与える影響が大分、抑えられている。
逆に言うと、圧倒的、攻撃力偏重の評価になっており、PLが同じ場合、攻撃種族値や攻撃個体値が高いポケモンは、CPが高くなりやすい傾向となる。
ポイント
- CP計算時、防御力とHPは平方根を使って影響力を下げている。
- CPは攻撃力が最も強く影響する計算式によって導かれる。
- 攻撃力が高いほど、CPは高くなる。
- 「相手を早く倒す」評価としては、理にかなっている。
CPまとめ
屋外プレイが前提となるポケモンGOでは、バトル面に関しても、できるだけ“シンプル”なシステムにするため、攻撃力と防御力を“隠しステータス”にし、代わりにCPという分かりやすい“強さの指標”を提示した。
「CPが高い方が強いポケモン」という分かりやすさは、初心者やライトユーザーには親切な仕様だといえる。
しかし、前述の通り、攻撃偏重の計算式のため、ジム防衛時などでは違和感のある指標なのも否めない。
更に、対人戦が実装となると、単純なCP比較は命取りとなる。
だが、CPの仕様を正しく理解すれば、対人戦から導入されるCP制限付きリーグで、この仕様を逆手にとって有利に立ち回ることができるだろう。
CPとCP計算式
- CPは攻撃力・防御力・HPをまとめたもの。
- 攻撃偏重の計算式。
- 「相手を早く倒す」ことに重点をおいた指標。
- CP値がダメージ計算に使われるわけではない。
CP制限別による3リーグ
スーパーリーグ(Great League) | CP1500以下 |
ハイパーリーグ(Ultra League) | CP2500以下 |
マスターリーグ(Master League) | CP制限なし |
強さの指標に“CP”を用いたのは、ポケモンGOの特色の一つでもあるのだが、これを対人戦の出場制限にも利用することで、「ナイアン(Niantic, Inc.)仕掛けてきたな」といった感じである。
このリーグ別の出場条件に“PL”ではなく“CP”を採用したことで、ポケモンGOならではのバトル環境が構築されるのは間違いない。
と、いうのも、CPは3つのステータスを(攻撃偏重で)まとめたものであり、同じCP帯であれば、種族値、個体値、PLが異なっていても、だいたいの“強さ”を揃えることができる。
しかし、そのCPがどういう構成(種族値、個体値、PL)で、そのCPになっているかは、蓋を開けてみるまで分からないのである。
つまり、CP制限内で、どの個体値やPLを採用するかも、戦略として重要になってくる。
対人戦時代の個体厳選「Q&A」
それでは、CP制限リーグでの個体厳選に関して、Q&A形式で詳細に解説していく。
「PL」は高い方が強いですか?
1つ目の質問です!
「PL28」の「CP2500」ポケモンと、「PL51」の「CP2500」ポケモンだと、どちらの方が強いですか?
なんとなく、PLの高い方が強いイメージがあるんですが?
その条件だと、PLを比較することに、あまり意味がない。
まず、大前提として、ポケモンのステータス上の強さは、“実数値”で決まる。
そして、その“実数値”は、特に「CP制限下」の場合、
PLの高い低いだけでは決まらない。
だから、単純に「PLが高いから強い」という結論には至らない。
以下、詳細に解説していく
PL28のギラティナAと、PL51のオノンドの強さ比較
ギラティナA | オノンド | ||||
CP2500 | CP2500 | ||||
注目 PL28 | 注目 PL51 | ||||
IV(1CF) | IV(AFF) | ||||
実数値 |
実数値 | ||||
攻撃 | 防御 | HP | 攻撃 | 防御 | HP |
132.89 | 167.53 | 211 | 187.66 | 116.65 | 152 |
ステ積(SCP) | ステ積(SCP) | ||||
注目 4697699(SCP2804) | 注目 3327342(SCP2214) |
CPは同じCP2500で揃え、片やPL28のギラティナA、
片やPL51のオノンドで、ステータス上の強さを比較してみたい。
「PL」の高い低いで強さが決まるなら、PL51のオノンドの方が強いことになるが、実戦では勿論、タイプ相性や技セットなどを無視した、ステータス上の強さだけで比較しても、ギラティナAが圧勝する。
ステータス上の強さを比較する場合、
“実数値の積(ステ積)”を用いるのが一般的だが、
ギラティナAと、オノンドのステ積を比較すると、ギラティナAのステ積が「約469万(SCP2804)」で、オノンドのステ積は「約332万(SCP2214)」と、ステ積に大きな開きがあることが分かる。
「実数値の積」おさらい
PvPでの「強さ」は「実数値の積」で比較
- PvPでは「攻撃」「防御」「HP」、この3つのステータスに同等の価値がある
- CPは攻撃偏重の評価値のため、3つのステータスを同等に扱う「実数値の積」を、PvPでの「強さ」比較に用いるのが一般的
個体値(0EE) | 個体値(0FD) |
実数値の積(生の値) | 実数値の積(生の値) |
1852687 | 1849090 |
実数値の積(%) | 実数値の積(%) |
100% | 99.8% |
SCP | SCP |
1508 | 1506 |
SCP順位 | SCP順位 |
1 | 2 |
実数値の積(生の値)の計算
個体値(0EE)
121.11..×110.05..×139=1852687..
個体値(0FD)
121.11..×110.63..×138=1849090..
実数値の積(%)の計算
個体値(0EE)
1852687..÷1852687..×100=100%
個体値(0FD)
1849090..÷1852687..×100=99.8%
SCPの計算
個体値(0EE)
個体値(0FD)
※SCPはCPと異なりHPの端数を切捨て後に計算している
「実数値の積」表現の種類
- 実数値の積とは、攻撃実数値、防御実数値、HP実数値の乗法結果(生の値は、桁数が大きい)
- 実数値の積の表現の1つに、最大値(理想個体)との割合を%(百分率)で表したものがある
- 実数値の積の表現の1つに、CPと同規模のスケールまでスケーリングしたSCPがあり、日本国内では最も普及している
- 実数値の積の表現の1つに、最大値(理想個体)から最小値までを順位で表したものがある
「実数値の積」の呼称
「実数値の積」、「ステータスの積」、「ステ積」、「SCP」、これらは基本的に同じ評価軸のことを指す。
強さの比較に用いられる「実数値の積」の詳細については、下記、関連記事も参照
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種族値と種族類型
ギラティナA | オノンド | ||||
種族値 |
種族値 | ||||
攻撃 | 防御 | HP | 攻撃 | 防御 | HP |
187 | 225 | 284 | 212 | 123 | 165 |
注目 合計696 | 注目 合計500 | ||||
種族類型 |
種族類型 | ||||
注目 HPタンク型 | 注目 攻撃型 |
ギラティナAと、オノンドで、ステ積に大きな開きがある一番の要因は、種族値の違いなのだが、
種族値に焦点をあてる場合、2つの切り口がある。
1つは種族値の合計値で、もう1つは種族値(攻撃、防御、HP)の比率。
種族値の2つの切り口
- 種族値の合計値
- 種族値(攻撃、防御、HP)の比率
ギラティナAの種族値合計は「696」で、オノンドの種族値合計は「500」。
ギラティナAが、オノンドよりも低いPLで、CP2500に達することができるのは、ギラティナAの種族値が優秀で、種族値合計がオノンドよりも高いことが要因の1つとなっている。
また、種族値の内訳「攻撃」「防御」「HP」を個別に見ていくと、ギラティナAはHPが最も高く、オノンドは攻撃が最も高い。
このように、種族値(攻撃、防御、HP)の比率から、ギラティナAの種族類型が「HPタンク型」、オノンドの種族類型が「攻撃型」だと分類できる。
CP計算式は、前述のように攻撃偏重のため、CPによって出場制限をかけてしまうと、「攻撃型」の種族類型がどうしても、ステ積で損をする傾向となる。(詳細は後述する)
種族類型 | ステータス比率 | 特徴 |
耐久型 | (攻撃<防御≒HP) |
ステ積(SCP)が最大となり、ステータス上の強さは最強。攻撃実数値が最小のため、先制権は、ほぼない。
|
HPタンク型 | (攻撃≒防御<HP) |
ステ積(SCP)は耐久型に次ぐため、ステータス上の強さは上位。防御型と比較し、1ターン技などの攻撃間隔の短い技には優位だが、威力の高い通常技やゲージ技に対しては弱い。
|
防御型 | (攻撃≒HP<防御) |
ステ積(SCP)は耐久型に次ぐため、ステータス上の強さは上位。HPタンク型と比較し、威力の高い通常技やゲージ技には優位だが、1ターン技など、攻撃間隔の短い技には弱い。
|
バランス型 | (攻撃≒防御≒HP) |
ステ積(SCP)は低めのため、ステータス上の強さは弱め。攻撃実数値は高めのため、先制できることが多い。
|
攻撃型 | (防御≒HP<攻撃) |
ステ積(SCP)が最小となり、ステータス上の強さは最弱。攻撃実数値が最大のため、ゲージ技をほぼ確実に先制できる。
|
「PL関係」質問まとめ
PLまとめ(CP制限下)
- 「PL」は、「種族値合計」「種族値の比率」「個体値合計」「個体値の比率」によって変動する
- 「種族値合計」が高いほど、低PLでCP上限に達する
- 「種族値の比率」が「攻撃寄り」ほど、低PLでCP上限に達する
- 「個体値合計」が高いほど、低PLでCP上限に達する
- 「個体値の比率」が「攻撃寄り」ほど、低PLでCP上限に達する
- ポケモンのステータス上の強さは、「PL」ではなく、「実数値の積」で決まる
- つまり、「PLが高いから強い」とは限らない
強さで比較すべきは、「PL」ではなく、「実数値の積」。
「CP制限下」での「PL」の捉え方は、CP上限まで育成する時の“コスパ”程度の認識で問題ない。
「CP制限下」では、種族値の優秀な伝説ポケモンは、低PLでCP上限に達するため、育成コストのコスパが良く、
種族値の低い、進化前ポケモン等は、高PLまで上げないとCP上限に到達しないため、育成コストのコスパが悪いといった塩梅。
「種族値」は高い方が強いですか?
2つ目の質問です!
「高種族値」の「CP1500」ポケモンと、「低種族値」の「CP1500」ポケモンだと、どちらの方が強いですか?
なんとなく、種族値の優秀な伝説ポケモンの方が強いイメージがあるんですが?
その条件だと、種族値を比較することに、あまり意味がない。
まず、大前提として、ポケモンのステータス上の強さは、“実数値”で決まる。
そして、その“実数値”は、特に「CP制限下」の場合、
種族値の高い低いだけでは決まらない。
だから、単純に「種族値が高いから強い」という結論には至らない。
以下、詳細に解説していく。
低種族値のマリルリと、高種族値のカイオーガで強さ比較
マリルリ | カイオーガ | ||||
注目 種族値 |
注目 種族値 | ||||
攻撃 | 防御 | HP | 攻撃 | 防御 | HP |
112 | 152 | 225 | 270 | 228 | 205 |
合計489 | 合計703 | ||||
種族類型 |
種族類型 | ||||
HPタンク型 | 攻撃型 |
CPは同じCP1500で揃え、片や種族値合計が「489」の一般ポケモンであるマリルリと、
片や種族値合計が「703」と種族値が優秀な伝説ポケモンのカイオーガで強さ比較をしてみたい。
“種族値”の高い低いで強さが決まるなら、種族値合計が「703」のカイオーガの方が強いことになるが、ステータス上の強さを比較すると、マリルリが圧勝する。
実数値とステ積
マリルリ | カイオーガ | ||||
CP1500 | CP1500 | ||||
注目 PL46.5 | 注目 PL13.5 | ||||
IV(0EB) | IV(0FE) | ||||
実数値 |
実数値 | ||||
攻撃 | 防御 | HP | 攻撃 | 防御 | HP |
92.15 | 136.59 | 194 | 132.53 | 119.28 | 107 |
ステ積(SCP) | ステ積(SCP) | ||||
注目 2441858(SCP1813) | 注目 1691460(SCP1419) |
「1つ目の質問」と同じ要領で、CPを同じCP1500でそろえて、ステータス上の強さ比較のために、ステ積を比べてみると、
マリルリのステ積が「約244万(SCP1813)」なのに対し、カイオーガのステ積は「約169万(SCP1419)」と、ステ積に大きな開きがあることが分かる。
PLとCPM
マリルリと、カイオーガで、ステ積に大きな開きがある要因で、今回、着目すべきは、「PL」の違い。
マリルリが「PL46.5」に対し、カイオーガは「PL13.5」となっている。
PLは、「攻撃」「防御」「HP」の実数値を導き出すための“CPM(乗数)”を決定する要素になっており、
ポケモン | PL | CPM |
マリルリ | 46.5 | 0.82279999 |
カイオーガ | 13.5 | 0.4908558003 |
それぞれ、上記の関係となっている。
つまり、
「PL46.5」のマリルリは、ステータス(種族値+個体値)の、“約82%”まで能力を発揮することができるが、
「PL13.5」のカイオーガは、ステータス(種族値+個体値)の、“約49%”までしか能力を発揮することができない。
これが、種族値の優秀なカイオーガと、種族値の低いマリルリで、実数値レヴェルでは、パラメータが“逆転”してしまった原因である。
CP制限リーグと実数値の積
では、なぜ、カイオーガのPLがこんなに低い状態で、CP上限に到達してしまうのかというと、
これも、「1つ目の質問」と同じで、カイオーガの種族類型が「攻撃型」なのが最大の要因となっている。
「1」確保するのに、必要なスペース(面積)は異なるが、
攻撃「1」と、防御「1」と、HP「1」で、その価値は同等。
CP制限下の概念を説明するために、上図のような“箱”を用意する。
種族類型が「攻撃型」のポケモンは、先ほどの箱(CP制限下)の中に、
攻撃を「9」、防御を「6」、HPを「6」、置くことができる。
この箱の“積”は「324」。
種族類型が「耐久型」のポケモンは、先ほどの箱(CP制限下)の中に、
攻撃を「2」、防御を「20」、HPを「20」、置くことができる。
この箱の“積”は「800」。
この箱の例では、種族類型が「攻撃型」のポケモンの積は「324」で、
種族類型が「耐久型」のポケモンの積は「800」と、同じ箱なのに、詰め込めるステータスに大きな差ができた。
このように、CP計算式の仕様上、CP制限下という有限の箱の中では、攻撃を確保するのに膨大なスペース(面積)が必要だと分かる。
攻撃、防御、HPで、どのステータスも、その価値は“同等”のため、
攻撃よりも、省スペースで、たくさん詰め込める、防御やHPを優先した方が、ステータスでお得を取れるというわけだ。
「種族値関係」質問まとめ
種族値まとめ(CP制限下)
- 伝説ポケモンのように種族値合計が優秀でも、CP制限下では、CP計算式の関係により、種族値の比率が「攻撃寄り」だった場合、低PLでCP上限に到達してしまうため、本来の実力が発揮できない
- つまり、「種族値が高いから強い」とは限らない
種族値は、ポケモンの強さを決める最も基本的な要素だが、
実戦では、PLや個体値などの要素も絡めた最終的な計算結果である“実数値”で強さが決まるため、
混同しないように注意が必要だ。
「個体値」による強さの違いはありますか?
3つ目の質問です!
「高個体値(FFF)」のポケモンと、「低個体値(000)」のポケモンだと、どちらの方が強いですか?
それと、今までの解説を伺う限り、攻撃を抑えた方が良さそうなので「個体値(0FF)」が強そうですが?
まず、前提として、種族値の異なるポケモン間で個体値を比較することには、意味がない。
個体値とは、その種族のポケモンの“才能の振れ幅”のため、個体値を比較するなら、種族値の同じポケモン同士でないと意味がない。
同じ種族値のポケモン同士で個体値を比較した場合、確かに攻撃を抑えた方が「実数値の積」では得をする。
そういった意味では攻撃個体値を抑えた「個体値(0FF)」系統が“理想個体値”となるケースが多い。
しかし、ミラー対面の時に、ゲージ技で決着のつくような対面の場合、ゲージ技を先制できる攻撃個体値の高いポケモンの方が強いというケースもある。
更に、実戦では通常技のブレークポイント、ゲージ技の確定数なども考慮する必要があるため、個体値には“正解がない”ともいえる。
種族値の違うポケモン間での個体値比較は意味がない
ドリュウズ | ブラッキー | ||||
CP2495 | CP2445 | ||||
PL28.5 | PL51 | ||||
注目 IV(0FF) | 注目 IV(FFF) | ||||
実数値 |
実数値 | ||||
攻撃 | 防御 | HP | 攻撃 | 防御 | HP |
181.86 | 102.70 | 183 | 119.19 | 215.55 | 195 |
ステ積(SCP) | ステ積(SCP) | ||||
3417738(SCP2268) | 5009745(SCP2927) |
一般的に、「CP制限下」では、攻撃個体値を抑えた「個体値(0FF)」系統が、
「実数値の積」“最大”となり、“理想個体値”となるケースが多い。
例にもれず、ドリュウズのハイパーリーグでの理想個体値も、「0FF」である。
しかし、当然、例外も存在し、ブラッキーのハイパーリーグでの理想個体値は、「FFF」のため、
ドリュウズと、ブラッキーのように、種族の異なるポケモン同士で、単純に個体値を比較しても全く意味がない。
理想個体値と特化厳選
理想個体 | 攻撃特化 | ||||
CP2495 | CP2468 | ||||
PL28.5 | PL29 | ||||
注目 IV(0FF) | 注目 IV(F00) | ||||
実数値 |
実数値 | ||||
攻撃 | 防御 | HP | 攻撃 | 防御 | HP |
181.86 | 102.70 | 183 | 194.24 | 92.80 | 174 |
ステ積(SCP) | ステ積(SCP) | ||||
3417738(SCP2268) | 3136480(SCP2142) |
それでは、ここからが「個体値」の本題だが、
ドリュウズの、ハイパーリーグで「実数値の積」が最大になる個体値は、前述の通り、
個体値「0FF」が理想個体値となる。
この時のステ積は「約341万(SCP2268)」。
一方、理想個体とは“真逆”ともいえる、攻撃特化させた、個体値「F00」のドリュウズは、ステ積が「約313万(SCP2142)」と、やはり、攻撃を抑えた厳選の方が、ステ積で得をすることがわかる。
しかし、実戦では、個体値「F00」の方が圧勝する。
と、いうのも、ドリュウズの“ミラー対面”は、ゲージ技で決着のつく代表的な対面で、最後のゲージ技を“先制”できる、攻撃実数値の高い「F00」の方が、ミラーでは有利だからだ。
GBLシーズン16時点での技性能で解説
このようにミラーに備えて攻撃特化させることを、“特化厳選”という。
特化厳選には、かつての“2チル”といった、ミラー対面だけでなく、特定対面での“定石外し”に用いられることが多い。
このように、本来の役割を汎用的にこなせる“理想個体”や、ミラー対面などの特定対面に特化させる“特化個体”など、
個体値厳選に関しては、パーティや立ち回りとセットでデザインする要素のため、
“答えがない”というのも、一つの答えとなる。
ブレークポイント
100%個体 | 攻撃欠け | ||||
CP4038 | CP4024 | ||||
PL40 | PL40 | ||||
注目 IV(FFF) | 注目 IV(EFF) | ||||
実数値 |
実数値 | ||||
攻撃 | 防御 | HP | 攻撃 | 防御 | HP |
229.19 | 178.61 | 173 | 228.40 | 178.61 | 173 |
ステ積(SCP) | ステ積(SCP) | ||||
7081684(SCP3687) | 7057264(SCP3679) |
攻撃個体値に関しては、ゲージ技を先制できるかどうか以外にも、
通常技の“ブレーク”、ゲージ技の“確定数”とも関係してくる。
ここでは、通常技のブレークと、個体値の関係を見ていきたい。
通常技のブレークで代表的な対面は、マスターリーグクラシック(マスクラ)での、“ディアルガミラー”。
マスクラで相棒ブーストなしだと、PL40がMAXだが、この条件だと、攻撃個体値が、1欠けるだけで、対面に大きな影響が出てしまう。
と、いうのも、この条件だと、攻撃個体値「F(15)」と攻撃個体値「E(14)」で、通常技であるりゅうのいぶきのダメージが変わる“ブレークポイント”が存在するため。
具体的には、個体値「FFF」のりゅうのいぶきは、ダメージ5で、
個体値「EFF」のりゅうのいぶきは、ダメージ4となる。
通常技 | DPT | EPT | 威力 | ゲージ | 時間 |
りゅうのいぶき | 4.80 | 3.00 | 4.8 | +3 | 1 |
GBLシーズン16時点での技性能で解説
攻撃個体値 | 与ダメージ量 |
F(15) | りゅうのいぶきのダメージ5 |
E(14) | りゅうのいぶきのダメージ4 |
りゅうのいぶきのような1ターン技で、ダメージ量が“1”変わる影響は、極めて甚大だといえる。
技性能の威力と、実際のダメージ量が異なる理由については、各種ダメージ補正やダメージ計算式について理解する必要がある。詳細はこちら。
相棒ブーストあり | 相棒ブーストなし | ||||
CP4090 | CP4038 | ||||
注目 PL41 | 注目 PL40 | ||||
IV(FFF) | IV(FFF) | ||||
実数値 | 実数値 | ||||
攻撃 | 防御 | HP | 攻撃 | 防御 | HP |
230.64 | 179.74 | 174 | 229.19 | 178.61 | 173 |
ステ積(SCP) | ステ積(SCP) | ||||
7213029(SCP3733) | 7081684(SCP3687) |
マスクラでの、より実戦的な“ディアルガミラー”は、“相棒ブースト”も考慮した対面だろう。
これは、個体値が同じだった場合、相棒ブーストの有無、つまり、PLの違いも“ブレークポイント”に影響することを意味する。
具体的には、個体値は同じ「FFF」同士だが、
“相棒ブーストあり”「PL41」のりゅうのいぶきは、ダメージ5で、
“相棒ブーストなし”「PL40」のりゅうのいぶきは、ダメージ4となる。
“相棒ブースト”によってPL41になることで、攻撃実数値と防御実数値が上がり、
“相棒ブーストなし”PL40からの被ダメージは抑え、与ダメージはブレークするため。
相棒ブースト(PL) | 与ダメージ量 |
あり(PL41) | りゅうのいぶきのダメージ5 |
なし(PL40) | りゅうのいぶきのダメージ4 |
実戦で“相棒ブーストあり”のディアルガ側は、シールドを1枚使えば、ゲージ技を消費せずに、PL40ディアルガを通常技だけで突破できるため、
対面を奪えるのは勿論、更に後続のポケモンへりゅうせいぐんという理不尽な大砲技も、お見舞いできてしまう。
この対面を作ってしまうと、「相棒ブーストディアルガ」“1匹”に自陣のパーティが半壊させられてしまうため、
マスクラに於いて「相棒ブーストディアルガ」は“人権ポケモン”といっても過言ではない。
GBLシーズン16時点での技性能で解説
「個体値関係」質問まとめ
個体値まとめ(CP制限下)
- 個体値とは、その種族の“才能の振れ幅”のため、種族値の同じポケモン同士で比較しないと意味がない
- 一般的に、攻撃個体値を抑えた方が「実数値の積」が最大となるケースが多い
- 「実数値の積」が最大になる個体値を“理想個体値”という
- ゲージ技で決着のつくようなミラー対面の場合は、ケージ技を先制できる“攻撃特化個体”が有利
- このようにミラーなどの特定対面に特化した厳選個体を“特化個体”という
- 個体値に関しては、通常技のブレークポイント、ゲージ技の確定数なども考慮する必要がある
個体値厳選を楽しめる層(筆者も該当)なら、ポケモンの巣巡りなども駆使して、積極的に厳選すれば、勝率も安定する。
なぜなら、ゲームでステータスは“裏切らない”からだ。
とはいえ、対人戦では、相手も人間である以上、“駆け引き”や“運”も絡む。ステータスで有利であったとしても、立ち回り次第では、容易に戦況は覆ってしまう。
また、ポケモンとの出会いは、“ご縁”のため、自分の出会ったポケモンが必ずしも“理想個体”とは限らない。
理想個体でないポケモンは、“正攻法”では、確かに不利だが、理想個体でないことで、通常技がブレークしたり、ミラー対面でゲージ技が先制できたりと、
“立ち回り”次第で、どんなポケモンでも“輝く”可能性は十分ある。
個体値厳選にこだわるのも楽しいが、手持ちのポケモンだけで、「どう立ち回ったら、“この個体”を活躍させられるか?」
このような“戦略”を練る時間もまた、ポケモンの醍醐味だといえよう。
「アメXL」を使った「ムキポケ」が強い理由は?
4つ目の質問です!
ハイパーリーグでは、ブルンゲルや、Aキュウコンなど、「アメXL」を使って強化した“ムキポケ”が猛威を振るっています!
ムキポケが強い理由は、やっぱりPL50付近まで強化できるのが一番の理由でしょうか?
「1つ目の質問」でも解説したように、
「PL50まで強化できる」=「“強い”」とは限らない。
現に、ハイパーリーグでは「アメXL」を使用しなくても、ステ積が化け物クラスのクレセリアをはじめ、
ギラティナAや、Aミュウツーなど、PL40以下でもステ積が優秀で強いポケモンは沢山、存在している。
「アメXL」を使って強化した“ムキポケ”が「“強い”」と言われるのは、PL50だから強いのではなく、
それまで考慮されていなかったタイプ相性と技セットをもったポケモンが、
「アメXL」で強化することで、“環境入り”できるようになる点が強い理由。
しかも、「アメXL」での育成は、育成難易度の高いものが多いため、
ムキポケを使う“参入障壁”が高いのも、ムキポケが強い要因の一つになってくる。
PL50だから強いのではなく、環境に刺さるから強い
非ムキポケ | ムキポケ | ||||
CP2497 | CP2500 | ||||
注目 PL37 | 注目 PL50 | ||||
IV(1FD) | IV(6EF) | ||||
実数値 | 実数値 | ||||
攻撃 | 防御 | HP | 攻撃 | 防御 | HP |
118.30 | 211.08 | 211 | 138.65 | 161.34 | 201 |
ステ積(SCP) | ステ積(SCP) | ||||
5268719(SCP3027) | 4496245(SCP2724) |
「アメXL」が不要なクレセリアは、PL37でステ積「約526万(SCP3027)」、
「アメXL」を使用したムキポケのブルンゲルは、PL50でステ積「約449万(SCP2724)」と、
ステータス上の強さだけを比較した場合、「アメXL」を使っていないクレセリアの方がステ積が上なことからも分かるように、「アメXL」を使ったからといって、無条件で強くなるわけではないと分かる。
ブルンゲルの強さの秘密は、「みず/ゴースト」という希少性の高いタイプ相性と、優秀な技セットを授かっている点だが、
PL40時代だと、微妙にステータス不足感が否めなかった。
ポケモン | PL | ステ積 | SCP |
40 | 3964171 | 2504 | |
50 | 4496245 | 2724 |
それが、「アメXL」でPL50まで強化可能となり、ステ積的にも、“環境入り”できるようなって、大化けしたといえる。
つまり、それまでの環境では、「みず/ゴースト」というタイプ相性と、優秀な技セットを授かった“ブルンゲル”というポケモンを考慮していないパーティが多かったため、
ブルンゲルが「環境に“刺さる”」=「“強い”」となった。
GBLシーズン6時点での環境に基づいて解説
ムキポケは育成難易度が高く、参入障壁が高い
ムキポケが強い理由は、環境に“刺さる”から強いのだが、
「アメXL」はポケモンGOの中でもエンドコンテンツの一つのため、入手難易度が高い。
つまり、大量の「アメXL」必須のムキポケは、育成難易度が極めて高いといえる。
この育成難易度の高さが、ムキポケ使用の参入障壁にもなっており、
環境に刺さるのに、作れないから“使いたくても使えない”という事態が生じている。
このように、環境に刺さるのに、使える人は少ないという状況が、ムキポケの強さに拍車をかけている。
「ムキポケ関係」質問まとめ
ムキポケまとめ(CP制限下)
- PL50まで強化できるから「強い」とは限らない
- ムキポケが強いのは、それまで考慮されていなかったタイプ相性と、技セットを授かったポケモンが“環境入り”できるようになるから
- つまり、環境に“刺さる”から強い
- ムキポケは育成難易度が高く、作れる人が限られる
- ムキポケを使える人が少ないのも、ムキポケが強い要因の一つ
GBLでレートを上げるには、PvPスキルや、立ち回りを磨くことも大切だが、
環境に“刺さる”ポケモンを使うことも極めて重要。
PvPスキルがなかなか上達しない人は、ムキポケを作ることに集中する方向へ舵を切るのも、戦略の一つとなる。
ダメージ計算について
以下のブロックでは、GBLシーズン15時点でのサイコキネシスの技性能で、「ダメージ計算」について解説する。
最新シーズンの技性能とは、バランス調整の影響で技性能が異なる可能性があるが、“ダメージ計算の仕組み”という文脈に於いては、その内容は伝わる事と思う。
サイコキネシスのダメージで検証
これまで共有してきた知識をもとに、「CP」「PL」「種族値」「個体値」と、
実戦でのダメージ計算が、どのような関係になっているのかを見ていきたい。
サイコキネシスの技変更履歴
ゲージ技 | 威力 | ゲージ | DPE |
【GBL前】第1期(2018年12月13日~2019年2月1日) | |||
サイコキネシス | 100 | 70 | 1.43 |
【GBL前】第4期(2019年9月28日~12月12日) | |||
サイコキネシス | 90 | 55 | 1.64 |
GBLシーズン16(2023年9月2日~12月2日) | |||
サイコキネシス | 85 | 55 | 1.55 |
GBLシーズン17(2023年12月2日~2024年3月2日) | |||
サイコキネシス | 75 | 55 | 1.36 |
バフデバフ技 | 対象相手 | 対象stat | 倍率 | 確率 |
---|---|---|---|---|
【GBL前】第1期(2018年12月13日~2019年2月1日) | ||||
サイコキネシス | - | - | - | - |
【GBL前】第4期(2019年9月28日~12月12日) | ||||
サイコキネシス | 相手 | 防御 | 0.8倍 | 10% |
GBLシーズン16(2023年9月2日~12月2日) | ||||
サイコキネシス | 相手 | 防御 | 0.8倍 | 10% |
GBLシーズン17(2023年12月2日~2024年3月2日) | ||||
サイコキネシス | 相手 | 防御 | 0.8倍 | 10% |
以下のブロックでの解説は、GBLシーズン15時点での技性能で解説しています。
検証の条件
アタッカー | ディフェンダー | ||||
CP2500 | CP2500 | ||||
PL22 | PL25.5 | ||||
IV(B78) | IV(1BF) | ||||
種族値/実数値 |
種族値/実数値 | ||||
攻撃 | 防御 | HP | 攻撃 | 防御 | HP |
300 | 182 | 214 | 193 | 310 | 235 |
194.86 | 118.42 | 139 | 130.87 | 216.54 | 168 |
ステ積(SCP) | ステ積(SCP) | ||||
3207541(SCP2174) | 4760860(SCP2830) | ||||
種族類型 | |||||
攻撃型 | 防御型 |
アタッカー | ディフェンダー | ||||
CP2500 | CP2500 | ||||
PL28 | PL25.5 | ||||
IV(FFA) | IV(1BF) | ||||
種族値/実数値 |
種族値/実数値 | ||||
攻撃 | 防御 | HP | 攻撃 | 防御 | HP |
261 | 175 | 163 | 193 | 310 | 235 |
195.10 | 134.31 | 122 | 130.87 | 216.54 | 168 |
ステ積(SCP) | ステ積(SCP) | ||||
3196827(SCP2170) | 4760860(SCP2830) | ||||
種族類型 | |||||
攻撃型 | 防御型 |
アタッカー | ディフェンダー | ||||
CP2500 | CP2500 | ||||
PL40 | PL25.5 | ||||
IV(FF7) | IV(1BF) | ||||
種族値/実数値 |
種族値/実数値 | ||||
攻撃 | 防御 | HP | 攻撃 | 防御 | HP |
177 | 180 | 216 | 193 | 310 | 235 |
151.74 | 154.11 | 176 | 130.87 | 216.54 | 168 |
ステ積(SCP) | ステ積(SCP) | ||||
4115594(SCP2568) | 4760860(SCP2830) | ||||
種族類型 | |||||
HPタンク型 | 防御型 |
- 参加するポケモンのCPはCP2500で揃える
- ゲージ技を放つアタッカーと、ゲージ技を受けるディフェンダーを用意
- アタッカー役は、ミュウツー、エーフィ、ヤドラン
- ディフェンダー役は、ルギア
- アタッカー役の放つサイコキネシスのダメージで検証
主な検証の条件は、上記の通り。
ここで着目すべきは、アタッカー役のミュウツー、エーフィ、ヤドランの、
CPはCP2500で同じだが、「PL」「種族値」「個体値」はバラバラな点。
ディフェンダー役のルギアは固定のため、
アタッカー役のどの要素がダメージに影響しているのかを検証する。
ゲージ技 | 威力 | ゲージ | DPE |
サイコキネシス | 90 | -55 | 1.64 |
GBLシーズン15時点での技性能で解説
ミュウツーが放つ「サイコキネシス」のダメージ計算式
$$\frac{(300+11)\times0.626567130}{(310+11)\times0.674577537}\times90\times1.2\times0.625\times1.3\times0.5+1=40$$
※小数点以下切り捨て
計算式が見切れる場合はスクロール
アタッカー | ディフェンダー |
CP2500 | CP2500 |
PL22 | PL25.5 |
IV(B78) | IV(1BF) |
サイコキネシスのダメージ【40】 |
エーフィが放つ「サイコキネシス」のダメージ計算式
$$\frac{(261+15)\times0.706884210}{(310+11)\times0.674577537}\times90\times1.2\times0.625\times1.3\times0.5+1=40$$
※小数点以下切り捨て
計算式が見切れる場合はスクロール
アタッカー | ディフェンダー |
CP2500 | CP2500 |
PL28 | PL25.5 |
IV(FFA) | IV(1BF) |
サイコキネシスのダメージ【40】 |
ヤドランが放つ「サイコキネシス」のダメージ計算式
$$\frac{(177+15)\times0.790300010}{(310+11)\times0.674577537}\times90\times1.2\times0.625\times1.3\times0.5+1=31$$
※小数点以下切り捨て
計算式が見切れる場合はスクロール
アタッカー | ディフェンダー |
CP2500 | CP2500 |
PL40 | PL25.5 |
IV(FF7) | IV(1BF) |
サイコキネシスのダメージ【31】 |
まとめ
ポケモン | 与ダメージ量 |
ミュウツー | サイコキネシスのダメージ40 |
エーフィ | サイコキネシスのダメージ40 |
ヤドラン | サイコキネシスのダメージ31 |
種族値、個体値、PLの異なるミュウツーと、エーフィのサイコキネシスは、同じダメージ【40】で、
PLが最も高いヤドランのサイコキネシスは、ダメージ【31】となった。
このようなダメージとなった要因は、攻撃実数値にある。
ポケモン | 攻撃実数値 |
ミュウツー | 約195(194.86237743) |
エーフィ | 約195(195.10004196) |
ヤドラン | 約151(151.73760192) |
サイコキネシスを受けるルギアの防御実数値は、「約216..(216.539389377)」のため、
攻撃実数値「約195..」と、実数値の近いミュウツーとエーフィのダメージは同じとなり、
ミュウツーやエーフィより攻撃実数値「約151..」と、実数値の低いヤドランのダメージは、ミュウツーやエーフィより低い結果となった。
CPが同じ場合、比較すべきは「PL」や「個体値」ではなく「実数値」。
総括
CPという指標は屋外プレイ前提のポケモンGOならではの、強さ表現だといえる。
ステータス画面から攻撃力も防御力も、LVすらも取り払い、CPとHPのみ表示、というシンプルさに踏み切ったナイアン(Niantic, Inc.)。
このシンプルさを突き詰めたからこそ、普段スマホゲームをしないようなシニア層まで取り込めたのだろう。
これは、スマホゲームとしては偉業といえる。
このように、ポケモンGOにとって「CP」はポケモンGOを象徴する評価値なのだが、対人戦に於ける出場制限にもCPを持ち込んだのは面白い試みといえる。
今までの解説の通り、同じCPであっても、その内訳は蓋を開けて見るまで分からないからだ。
対戦相手がどのような戦略でCPの内訳を構成してくるか、今から血湧き肉躍る。